早くも、今年の後半に入りました。6月は、南会津2日間、志賀高原3日間の見て歩きをした関係で、個別の植物観察をあまり掲載できませんでした。遅くなりましたが、6月上旬から咲いていて、まだ咲き残っているタチアオイを、掲載させていただきます。
タチアオイ(立葵)別名:ハナアオイ。 アオイ科。
小アジア、中国が原産地で、古くから渡来して、観賞用として、庭などで栽培されています。
高さは2~3mに伸び、花は、直径7~10cmと大きく、下から次々に咲き上がります。
タチアオイの花には、雄性期と雌性期があります。
両性花の花と言っても、自家受粉を避けるために、雄性期と雌性期を巧みに分けています。
開花1日目の花。
花の中心は棍棒状で、オシベだけが花粉を付けています。雄性期の花で始まります。花粉もまだ散からずに、きれいな状態です。
花の中心は棍棒状で、オシベだけが花粉を付けている。雄性期の花で始まる。
開花2日目の花。
少し、花粉が花弁に落ちています。
開花3日目の花。
上の花のオシベよりも、下の花のオシベの花粉が少なくなっています。
開花4日目の花。
オシベの花粉はほとんどなくなって、先端からメシベが出ています。雄性期から雌性期へ転換しました。
オシベに代わって、先端のメシベの柱頭が出てきて、雌性期の花となる。
開花5日目の花
花弁がしぼみ始め、メシベの柱頭も中央にかたまり始めています。
花弁がしぼみ、メシベの柱頭は受粉されたと見えて、大きくなっている。
花の色は、濃紅色、淡紅色、白色など様々で、花弁が5枚の一重咲きが原種ですが、八重咲きもあります。
濃紅色の花。
花弁5枚の一重咲。
花弁の枚数が多めの八重咲の花。
淡紅色の花。
花弁5枚の一重咲。
花弁の枚数が多めの八重咲の花。
白色の花。
花弁の多い花には、オシベが花弁化している様子も見られます。
なお、アオイ科には、ムクゲ、フヨウ、ブッソウゲ(別名:ハイビスカス)、ゼニアオイ、オクラなどがあります。
タチアオイの花の形状は花柱を除けばハイビスカスによく似ていますが、花色は赤、ピンク、黄色、白、濃い紫など様々で真ん中の模様も微妙に異なっています。
本来は地中海からアジア原産の多年草ですが、園芸種として1年草、2年草があるようです。
小奇麗ないかにもガーデニングですというような花壇に植えられているものよりも、大まかに畑の端などに野生的に生育していると凄く引き立ちます。
以上