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のん木草・みどり見て歩き

キササゲ(ノウゼンカズラ科キササゲ属)

小石川植物園、宿河原緑化センター、向ヶ丘遊園駅近く、武蔵中原と武蔵小杉の二ケ領用水沿いなどで、6月に咲いている花です。
中国中南部の原産、日本には古くから渡来して野生化しました。日本全土の温暖な河原や谷筋など、やや湿った場所に自生しています。
落葉性の10メートルにもなる高木で幹も太く、直径が60センチに達するものがあります。10花ぐらいを円錐状につけます。
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葉は桐のようで大きく、やや三角形状の広卵円形です。
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花は淡黄色で内側に紫色の斑点があります。
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花をいただいてきて、観察させていただきました。
花の正面から覗きこみました。
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花冠を上下に裂いて、中の様子を見せてもらいました。上方に、オシベ、メシベが見えます。下方の黄色いのはネクターガイド(花蜜への道標)の足を乗せて歩むレールです。
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横からも見ました。上方の2本のオシベ、白っぽい1本のメシベが良く判ります。
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花冠と咢を分解して並べてみました。
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メシベは咢筒の中央にしっかり付いています。
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オシベは花冠のネクターガイドの基部から出ています。ネクターガイドとオシベが一体となって、昆虫に花粉を付ける巧妙な仕組みになっているのには、驚かされました。

今回、キササゲの薬用について調べた内容を、皆さんのご参考に記載しておきましょう。

民間薬として、センブリ、ドクダミ、ゲンノショウコ、キササゲ、カキドオシ、タラノキ、ウラジロガシがよく知られています。
キササゲの果実の乾燥したものを生薬で梓実(しじつ)・キササゲといいます。
キササゲの根皮は生薬名を、梓白皮(しはくひ)といい、7月~8月に根を掘り採り、水洗いして皮をはぎ、天日で乾燥させます。
キササゲは、非常に利尿(りにょう)作用が強く、腎炎(じんえん)やネフローゼによる顕著(けんちょ)な、むくみや蛋白尿をおこしたときの利尿剤として効き目があります。
乾燥した果実・梓実(しじつ)を2~3センチに刻み1日量10グラムに水0.5リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、1日3回に分け食間に服用します。利尿薬として非常にすぐれています。
また、一度に大量に服用すると、気分が悪くなったり吐き気をもようしたりする場合がありますので過量の服用と副作用には充分注意する必要があります。
根皮・梓白皮(しはくひ)を乾燥し、細かく刻んだもの1日量10グラムに、水0.5リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めた煎液は、解熱、解毒剤として使用します。
梓白皮(しはくひ)の煎じ液は皮膚のかゆみやできものなどの塗布にも用います。
また、果実・葉を8グラムを水0.2リットルで煎じて、イボ痔に服用するとされます
以上
by midori7614 | 2012-06-13 19:11 | 身近なみどり
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