のん木草・みどり見て歩き

カテゴリ:上信越のみどり( 82 )

7月26日 立山自然観察第1日・その1

7月26日~28日の3日間、富山県立山にて、東京学芸大学教授の小泉武栄先生を講師として、山の自然学クラブ(http://www.shizen.or.jp)の自然観察現地講座がありました。私は山の自然学クラブの会員となって、2年目で、現地講座には3度目の参加でしたが、いろいろと学ぶことが多く、有意義で楽しい3日間でした。
第1目は、八王子駅を8時半にバスで出発し、圏央道~関越自動車道~上信越自動車道~北陸自動車道の高速道路を走り、立山駅前の「立山カルデラ砂防博物館」へ15時過ぎに着きました。そこで、参加者26名が全員集合でき、自然観察したい場所で、適当に下車しながら、美女平(977m)~弥陀ヶ原(1930m)の地質や植生を観察しました。
詳細の説明は、省略しますが、観察中に撮影しました写真を、原則として、撮影時刻順に掲載します。どんな所だったかと推測しながら、ご覧下さい。

美女平(977m)から「ぶな坂」という曲がりくねった道を上がりました。左右は、立山杉とブナの大木を中心として、トチノキ、ホオノキも混じる巨木の原生林でした。ブナは、主として、谷合の斜面に巨樹が見られました。スギとブナの共生する独特な雰囲気の森林でした。ここは、日本でも数少ない天然性スギ巨木の集団的育成地で、美女平から大観台までの3平方キロメートルには、幹周り6m以上の巨木が147本もあるそうです。写真を撮り損ないましたが、道路際に「森の巨人達100選」の巨木もありました。
子育て杉。 幹周り約10m、樹高23m。
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ブナの大木。
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ブナ林
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ブナと立山杉の並存。
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更に、高度が上がるにつれて、ブナ帯の植生域にも拘らず、ブナなどの広葉樹の巨樹がなくなり、立山杉が中心となります。称名の滝のあたりになると、クロベ、ゴヨウマツ、コメツガなどの針葉樹もスギに加わり、八郎坂の滝見台園地あたりになると、森林の様相が変わってきました。火砕流で作られた地形ですので、土壌条件が悪いので、ブナに取って代わって、針葉樹の世界となっているようです。私の個人的推測ですが、緯度・高度ではブナ帯であっても、立山の火砕流で作られたこの地域は、他のブナ帯に比べて気温・地温が冷たい・寒いのではないかと思います。その結果、導管内の水分が凍っても、仮導管で氷結に強い針葉樹が生き残り、広葉樹は生き残れなかった箇所がでているのではないかとも思われました。一つの条件・要因だけでなく、いろいろの条件・要因が複合的な原因となって、現在の姿・風景となっているのでしょう。
なお、称名滝については、帰りの第3日に説明を入れますので、ここでは、省略します。
立山杉林
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クロベ(ネズコ)とスギの間から、称名の滝が遠望されました。(滝見台)
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この間で、見られた花は次のとおり。
トリアシショウマ。 ユキノシタ科チダケサシ属。
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ヤマブキショウマ。 バラ科ヤマブキショウマ属。
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エゾアジサイ。ユキノシタ科アジサイ属。淡いブルーが特徴で、私の好きなアジサイです。花粉を媒介する甲虫のカミキリが花粉を食べにきています。
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ヨツバヒヨドリ。キク科フジバカマ属。
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ノリウツギ。 ユキノシタ科アジサイ属。
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ノリウツギと称名の滝。 書中お見舞いとして、涼しいそうな写真を撮ってみました。
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タムシバの若い実。 モクレン科モクレン属。コブシの果実と良く似ているのは当然。
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滝見台園地より上になると、針葉樹林は姿を消し、弥陀ヶ原の名前のとおり、主として、コメツツジなどの低木や草本中心の高原となりました。弥陀ヶ原は東西4km、南北2kmの火砕流が作った溶岩(溶結凝灰岩)台地で、称名の滝のところで判るとおり、厚さ500mも火砕流が積もっているとのことです。
まず、弥陀ヶ原の風景をご覧下さい。
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そこには、大小3000個とも言われる「地糖(ちとう)」が点在し、通称「ガキ田」とか「餓鬼の田んぼ」とよばれており、国内でも有数な高山植物の宝庫です。
餓鬼の田んぼ
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チングルマ、ワタスゲの果穂と地糖(ちとう)の風景。
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湿原の中の高台(凸地)には、コメツガなどの樹木が生長していました。
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パイオニア樹木として、ダケカンバが目立ちました。
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ワタスゲと高原風景
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以上
弥陀ヶ原で見られた花は、その2として、引き続き掲載いたします。
by midori7614 | 2008-07-29 16:27 | 上信越のみどり

7月26日 立山自然観察第1日・その2

第1日のその2として、弥陀ヶ原で撮影できた花などを掲載しておきます。(1回のブログ掲載写真が約20枚で、容量限度となるため、2回に分けております)

モミジカラマツ。 キンポウゲ科カラマツソウ属。
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ニッコウキスゲ。ユリ科キスゲ属。
立山、白山の信仰で、御山に歩いてくる道を、禅定道と言い。この道脇に、咲いていたところから、立山、白山では、昔から「禅定花=ゼンテイカ」と呼ばれていたそうです。2年前に、白山に登った時に、教わりました。
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キンコウカ。ユリ科キンコウカ属。この花もユリ科ですと言うと驚いてシゲシゲと見るきになる黄の花ですね。
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コメツツジ。ツツジ科ツツジ属。
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シシウド。 セリ科シシウド属。
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ウツボグサ。シソ科ウツボグサ属。
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テガタチドリ。ラン科テガタチドリ属。
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ウラジロナナカマド。 バラ科ナナカマド属。
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オニシモツケ。バラ科シモツケソウ属。
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ヤナギの果穂。風で種子が散布される。
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チングルマの果穂。風で種子が散布される。弥陀ヶ原では、花が終って、実となっていたが、500m高い室堂から上では、花盛りでした。花の写真は、第2日分に掲載します。
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ワタスゲの果穂。カヤツリグサ科ワタスゲ属。風で種子が散布される。
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ミヤマホタルイ。カヤツリグサ科ホタルイ属。餓鬼の田んぼの中。まだ、花はなし。
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イワイチョウ。ミツガシワ科イワイチョウ属。カミキリみたいな虫が花に集っている。
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モウセンゴケ。 モウセンゴケ科モウセンゴケ属。まだ、白い花は咲いていなかった。
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コバノトンボソウ。ラン科ツレサキソウ属。
最初は、キソチドリかと思いましたが、同じ仲間のコバノトンボソウではないかと思う。
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タニウツギ。 スイカズラ科タニウツギ属。
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ハクサンボウフウ。 セリ科カワラボウフウ属。
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ヤマハハコ。 キク科ヤマハハコ属。
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ワレモコウ。バラ科ワレモコウ属。
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以上
by midori7614 | 2008-07-29 15:57 | 上信越のみどり