のん木草・みどり見て歩き

4月10日新宿御苑見て歩き



かわさき市民アカデミーみどり学受講生有志で結成しているサークル「みどり葉っぱ会」の見て歩きは、昨年7月の入笠山観察会以降
長らく中断しておりましたが、ようやく桜のお花見の時期に再開する運びとなりました。

新宿御苑は、「高遠小彼岸」の桜の名所である信州高遠藩主内藤家の下屋敷があったところです。 明治5年(1871)に、日本の近代農業振興を目的とする内藤新宿試験場が設置され、その後、宮内庁所管の新宿植物御苑となり、明治39年には日本初の皇室庭園である新宿御苑が誕生しました。戦後国民公園となり、一般に開放されています。面積58haの敷地に、約1500本の桜が植えられている桜の名所で、この時期は、アルコール持ち込み禁止で、純粋に花見する人々でにぎやかです。お馴染みの「染井吉野」の他に、一葉、関山、八重紅枝垂れ、白妙などの八重咲の栽培品種や黄色の桜ウコン、緑の桜ギョイコウ、紫の桜ムラサキザクラなどの貴重な桜も見られる場所です。では、見られた桜だけを参加者の復習になれば、参加できなかった方には、学習のご参考になればと思い、掲載させていただきます。

まず最初に桜の種類について、

サクラはバラ科サクラ属サクラ亜属に分類される落葉広葉樹である。原種としてはエドヒガン、オオシマザクラ、ヤマザクラ、カンヒザクラ、マメザクラ、チョウジザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、ミヤマザクラ、タカネザクラなどが認められており、これらの変性や交雑などから数十種類の自生種が存在する。

染井吉野(ソメイヨシノ)が見ごろを迎えた新宿御苑。10日はうっすらと雲が広がるものの、太陽の日差しが降りそそぐ良いお天気でした。

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染井吉野。

染井吉野は江戸時代中期-末期に園芸品種として確立したとされている。江戸彼岸系統の桜と大島桜の遺伝子的特徴をもつとされる。開花が華やかであることや若木から花を咲かす特性が好まれている。花弁は5枚。花色は咲き始めは淡紅色、満開になると白色に近づき、散り際には。オシベの花糸と萼片が紅色になり、花の中央が赤く見えるようになる。

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アメリカ。

日本からアメリカに渡ったワシントンのポトマック河畔にある染井吉野の実生から誕生したもので、染井吉野より色が濃く、小花柄が長いのが特徴です。1965年に、米国から里帰りした桜です。

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松前早咲(マツマエハヤザキ)。
北海道松前町の光善寺に古木があります。タカサゴとカスミザクラの交雑種とされています。240年前に本州から松前町に導入されたものとされています。

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大島桜(オオシマザクラ)
房総半島や伊豆半島の南部、伊豆七島など本州の暖帯に自生する桜です。若葉は黄緑色で、山桜と同様に花より先に葉が開く。花は白色で黄緑の若葉とよく調和し、優雅な美しさがある。葉は塩漬けにして、桜餅を包む皮として利用されている。

花期は3月から4月にかけ、葉の成長とともに茎の先端から数個の花をつける。花弁は白色で5弁、淡い芳香を持つ。

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小彼岸(コヒガン)

江戸彼岸と豆桜の交雑種と考えられている。 花期が早く、春の彼岸ごろには花が咲き始める。花は五枚一重で薄い紅色の花を咲かす。ただし、色は染井吉野よりも濃い。春の早くに咲くため、葉よりも先に花をつける。萼は細長いが、根元が少し膨れている。また、毛が多い。

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八重紅枝垂 ヤエベニシダレ) 

江戸彼岸系の園芸品種の桜の一種。枝は長く垂れ、花も下垂するシダレザクラである。

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開花した花。

開花は葉に先行する。花弁は1520個、楕円形でややねじれており、平開しない。蕾から花弁が展開するにつれて、花色が濃紅紫色から淡紅紫色へと変化する。花が八重咲きで濃い紅色。

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十月桜 (ジュウガツザクラ)

江戸彼岸の系列で小彼岸の雑種とされている。花は4月上旬頃と10月頃の年2回開花する。花は十数枚で、花弁の縁が薄く紅色になる。また萼筒が紅色でつぼ型である。春は開花期に新芽も見られる。また、春のほうが花は大きい。

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次に、里桜(サトザクラ)について。

里桜は、大島桜を基にして開発されたと考えられる園芸品種の桜の総称。大島桜に山桜、江戸彼岸、霞桜、豆桜などを掛け合わせたものとされる。
サトザクラの歴史は、人々がサクラを庭に植え始めた平安時代からと言われる。このころから品種の育成が行われ、人為的な交配や突然変異、野生のものからの選抜育成などが続けられた結果、200種以上の里桜が誕生した。人里で開発された桜を全て里桜という場合もあり、この場合は更に多くの種類の桜が里桜に分類される。 里桜は往々にして人間の観賞用に改良されてきたため、花びらの数の多いものや、見栄えのするものを選んで作られている。八重咲き、枝垂れ咲きの種類も多い。

太白(タイハク)

里桜。日本では絶滅された品種とされ、イギリスの育種家イングラム氏によって栽培されていた品種で、1932年に日本へ逆輸入された桜です。この種の花は、桜の中では直径が最大級のものです。円く大きな花弁、しわがある。日本の駒つなぎと同じと言われている。

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白妙(シロタエ) 

里桜。 四月中旬に花を咲かせる。花は「白色八重咲き」の代表と言われている。原木は荒川堤にあった白色大輪の里桜。「アマヤドリ」に似ている。まれに果実がつく。

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一葉(イチヨウ)
里桜。花芯から一本の葉化した雌しべが出ることからこの名前が付けらた。花は普賢象などよりは少し小さめで、柄の垂れる可憐な桜です。新宿御苑の代表的な名桜です。花は八重咲き。大きいものでは直径5cm以上の大輪になる。淡紅色であり、花弁の内側が白い。このため花が開いてくると白っぽい色に見えるようになり、満開期には白い花に見える。

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関山(カンザン)里桜の代表的な品種。花は大形の八重咲き、色は濃紅色で艶やかです。この艶やかさが外国でも好まれ、海外にも広く植えられている。花弁は多い場合は50枚を超える。花は大輪であり生育条件が整えば5cmを越えることもある。雌しべは2本葉化しており、花の中心から突き出ている。花の時期には葉が生えている場合が多い。また、花が長い期間持つことも特徴であり、長い期間楽しむことができる。

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鬱金(ウコン)

里桜。開花時期は染井吉野より遅めの4月中旬頃。数百品種ある桜のうちで唯一、黄色の花を咲かせる桜である。花弁数が1520枚程度の大輪の八重咲きである。

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御衣黄(ギョイコウ)

染井吉野より遅く、4月の下旬頃。花弁数は10から15程度の八重咲きで、花弁は肉厚で外側に反り返る。色は白色から淡緑色である。中心部に紅色の条線があり、開花時には目立たないが、次第に中心部から赤みが増してきて(紅変)、散る頃にはかなり赤くなる。鬱金(ウコン)と同様に花の色が珍しい桜である。

御衣黄は、江戸時代から知られ、よく栽培されてきた。典型的な大島桜系の一品種である。花弁は黄色地に緑色の線条があり、花の盛りには中央下部に赤色の線が入る特異な花色である。一般的に「緑の桜」として知られている。

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紫桜(ムラサキザクラ)
里桜。花弁の色は外側が濃い紅紫色丸く大きい。若芽が紫褐色で花よりやや遅れて伸びる。花柄が短いので、大山桜の形質が見られる。「ムラサキザクラ」の花弁が10枚以上あるものを「ヤエムラサキ」と呼ぶ。両者を比較すると形質には、大きな差はみられない。

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市原虎の尾(イチハラトラノオ)

里桜。京都市左京区の市原にあったものが、広く栽培されています。短い枝のまわりに、開花すると枝全体が虎の尾の様に見えることから、「市原虎の尾」と名づけられました。 そんなに大きく成長しない容姿に、太い枝を包み隠すように中輪の花が咲き、同時に若葉の展葉もあり、花と葉のコントラストの美しい桜です。

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最後に、日本の桜ではありませんが、変わった桜が見られたので、掲載しておきます。

8925(2)西洋博打木 セイヨウバクチノキ

バラ科サクラ属の常緑樹。ヨーロッパ東南部を原産とし、近縁関係にある日本のバクチノキに似ることからセイヨウバクチノキと呼ばれる。4月になると芳香のある白い花が穂状(ウワミズザクラのような感じ)に立ち上がる。 なお、この仲間のリンボク、バクチノキは9~10月に花を咲かせる。

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以上


by midori7614 | 2017-04-12 15:58 | 関東のみどり
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