のん木草・みどり見て歩き

5月19日 神代植物公園のバラ その1。

かわさき市民アカデミーみどり学受講生有志で結成しているサークル「みどり葉っぱ会」の今年度第12回目の見て歩き行事を、神代植物公園で実施しました。4月中旬~5月上旬までの見て歩き行事が3回連続で、雨天中止となっていましたので、久しぶりの実施となりました。今回は、終日の降水確率が0%で、快晴の良いお天気に恵まれました。
見て歩きコースは次のとおりでした。
正門10:00→ボタン・シャクヤク園→10:30バラ園カリヨンの鐘→ボランテイアガイドによるバラ観察13:00前後→ムクロジ下の休憩場所(昼食)13:40流れの山野草園→宿根草園→山野草園→オオヤマレンゲ→15:30つつじ園(ここで解散し、各自自由行動)

正門に集合した時点で、次のバラのミニ知識を10分程度で紹介してから、スタートしました。
☆園芸バラの祖先は野生種8種。(引用:大場秀章「バラの誕生」56頁。)
ノイバラ、 テリハノイバラ、 ロサ・モスカータ、 コウシンバラ、 ロサ・ギガンティア、 ロサ・ガリカまたはロサ・オドラータ、 ダマスクローズ、 ロサ・フェティダ
☆バラと人の歴史。
・バラが人類の歴史に登場するのは古代バビロニアの叙事詩である。
・ローマ時代、香油は愛好され、北アフリカなどでバラの栽培が行われた。
・中世ヨーロッパでは、バラは「人々を惑わすもの」として教会によってタブーとされ、修道院で薬草として栽培されるにとどまった。
・十字軍以降、中近東のバラが西欧に紹介され、愛好の対象になった。
☆バラの母ジョゼフィーヌ皇后。
ナポレオンの皇后ジョゼフィーヌはバラを愛好し、バラに関する情報交換や原種の蒐集をしていた。世界中からバラを取り寄せ、植栽させ、「バラ図譜」を描かせた。
☆モダンローズの誕生。
1867年に、HT系の「ラ・フランス」がモダンローズの第1号となった。
☆黄色いバラの誕生。
1900年に、「ソレイユ・ドール」が黄バラ第1号となった。
☆欧米での品種改良の進展。
1935年に「クリムゾン・グローリー」が作出され、赤バラの改良に利用された。
1940年にフランスのメイアンの「アントワーヌ・メイアン」がアメリカで「ピース」と名づけられ、1945年に売り出された。戦後のバラの流行が作り出された。
☆奇跡のブルーローズへの挑戦。
純粋な青さを湛えたバラを作り出すことは、青いチューリップと同様に世界中の育種家の夢であり、各国で品種改良競争が行われた。
日本でも青いバラに対する挑戦は盛んで、今日までに数多くの品種が生み出され、世界でも注目を浴びている。
☆青いバラ(サントリーフラワーズ)。
日本のサントリーフラワーズと、オーストラリアの植物工学企業 (現 フロリジーン)との共同研究開発により、世界で初めての青色色素を持ったバラである。遺伝子組換え技術により誕生、2004年に発表され、2008年に法に基づく使用と流通などの承認となった。2009年、この青いバラに「アプローズ」の正式名称を与え、切花として全国の花屋などに発売した。
バラを見る前に見たシャクナゲとバラの後に、午後に見た山野草やセンダン、オオヤマレンゲの花は、別途「5月19日神代植物公園のバラ以外の植物」として、後日掲載します。

まず、バラ園の風景から、ご覧いただきます。
神代植物公園のバラ園は、2009年第15回世界バラ会議で、「世界バラ会議優秀庭園賞」を受賞しましたので、一層手入れが良くなり、ボランテイアガイドの案内も良くなっているように思われます。
10時40分ごろに、大温室側の入口から見たバラ園の全景。平日でも、多くの見物客でにぎわっていました。
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バラ園内の植栽状況。手前の黄色いバラはゴールドバーニー。
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純白のアイスバーグとバラ園風景。 アイスバーグの花色は透明感のある純白色で、清楚な雰囲気のバラ。トゲが少なめで、枝が細く、ややうつむき加減に咲きます。多花性で花もちも良く、丈夫で育てやすいため、世界中で植栽されている名花です。
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アンジェラのバラ風景。 アンジェラはフロリバンダ系で、ピンクの花色に、内側が少し白色の半八重のカップ咲き。日本では主にクライミングローズとして使用されています。花径は6cm程と小さめですが、花が一面を埋めつくす程花つきがいいので、見応えがあります。香りは、ほとんどありません。
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ボランテイアガイドは通常1時間の予定ですが、今回のボラテイアガイドは、私たちが植物観察のサークルの会員であることを知っており、予定よりも何と1時間半も延長して、2時間30分にわたり、案内していただきました。2時間半を休むことなく、次から次へと75品種の「見ごろに咲いていたバラの花」の説明と香りの案内をしていただきました。写真の掲載をどうしようかと考えたのですが、見た順ではなく、品種の系統別に分類してみました。このブログ「バラその1」では、モダンローズのハイブリッド・ティー・ローズ(HT)(1867年~)だけを掲載し、残りの品種は後で掲載する「バラその2」に譲ります。

まず、バラは、大きく分けると、「オールドローズ」と「モダンロ-ズ」の2つの分類になります。名前のとおりに、モダンローズは、オールドローズよりも、後に出て来たものです。 最初に作られたモダンローズは、1867年に、フランスで作出された「ラ・フランス」という品種であり、それ以前にはモダンローズは存在しなくて、1867年前のバラは原種も含めてすべてのバラはオールドローズとなります。
モダンローズは、現在、もっとも一般的に見られるバラで、町の花屋さんで花束に作られているものなどは、「ほぼ全部モダンローズ」と言えるでしょう。
そこで、モダンローズの品種から紹介し、その後で、オールドローズと野生の原種交雑種、原種バラの順で掲載します。

ハイブリッド・ティー・ローズ(HT)(1867年~)
 ハイブリッド・パーペチュアルとティー・ローズを交配して作られた、四季咲きバラです。四季咲き、耐寒性、強健の性質を持っている。一輪咲きの切り花の大半がこの系統である。現代バラの主流はほとんどこの系統のものである。若い芽は紅紫色を帯びることが多く、花柄が長く丈夫で切り花にもてきしている。

ラ・フランス。1867年にフランスのギョイ氏が作出した。ハイブリッド・ティー(HT)系の第1号で、最初のモダンローズとなった記念すべき品種である。花は剣弁高芯の大輪咲き。花色は明るいピンク。
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クリムソングローリ。 1935年アメリカで作出され、赤バラの改良に利用された。剣弁高芯咲きで、光沢のある美しいレッド。花びらの質感がよく、花弁数が多いのでゴージャスな雰囲気のバラ。赤バラにはめずらしく芳香性で、強いダマスク香があります。
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ピース。 1940年にフランスのメイアンの「アントワーヌ・メイアン」がアメリカで「ピース」と名づけられ、1945年に売り出された。ピースの名前は、第二次世界大戦後平和への願いを込めて名付けられ、国際コンクールでも数々の賞を受賞しました。クリームイエローとピンク色の覆輪で優しい花色。半剣弁高芯咲きから、ふんわりと大きく開いていきます。育てやすく、大変人気のある品種で、戦後のバラの流行を作り出した。
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ガーデンパーテイ。 1959年アメリカで作出され、クリームイエローの花弁のふちに、ほんのりピンク色が入る覆輪です。パステルカラーの花色に優雅な大輪花がとても華やかで、甘く豊かな香りです。花壇に広く親しまれてきた品種です。
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パスカリ。1963年ベルギーで作出され、花色は白、剣弁高芯咲きの大輪で、微香の四季咲き。2001年に世界バラ会議の栄誉殿堂入りしました。
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ブルームーン。 1964年ドイツで作出された。花びらが薄く、透明感のある青みがかったラヴェンダーの花色。半剣弁カップ咲きで、ブルー系特有の爽やかな香りがあります。トゲが少なく、樹勢の強い育てやすい品種。青色系のバラの中でも評価が高く、名花と言われています。月の光の下で見ると一段と美しいと言われています。
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クローネンブルグ。 ピースの枝変わりから1965年イギリスで作出され、表が濃いピンクで裏がクリーム色の大輪で、四季咲き。
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ジャスト・ジョーイ。 1972年イギリスで作出され、杏色がかったオレンジ色の波打った丸弁の花でクラシックな趣のあるバラで、芳香があります。1994年に世界バラ会議の栄誉殿堂入りしました。
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ブラック ティー。 1973年日本で作出された。紅茶のような花色で、独特な雰囲気を醸し出すバラ。その珍しい花色と存在感で、根強い人気があります。高温になると朱色に近くなるため、春バラよりも秋バラの方がより綺麗な紅茶色を楽しめます。大輪の半剣弁平咲きで、樹形は直立性。トゲの多い品種。
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ダブル・デライト。 1976年アメリカで作出され、花色は、クリーム色に紅色の覆輪。咲き進むにつれて紅色がのってきます。色鮮やかで光沢感があり、輝いているように見えます。芳香種で、フルーツのような甘い香り。数ある覆輪系のバラの中でも、とても評価が高く人気のある品種です。品種名のダブル デライトは2重の喜びの意。1985年 世界バラ会連合の栄誉殿堂入りしました。
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プリンセス・ドウ・モナコ(別名:グレース・ケリー)。 1982年フランスで作出された。白とピンクの覆輪系のハイブリットティーローズの中でも、群を抜いて美しいバラです。"プリンセス ドゥ モナコ"=モナコ公国王妃となった、故グレース・ケリーに捧げられたこのバラは、その名前の通りとても存在感があり、上品で甘い香りがします。花形・色・咲き方・香りのどれをとっても申し分ないバラです。このバラを前にすると、なんだか幸せな気持ちになります。
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イングリッド バーグマン。 1984年デンマークで作出された。ハリウッドで活躍したスウェーデン出身の往年の女優イングリッド バーグマンを讃えて名付けられたバラ。濃く気高い赤色の半剣弁高芯咲き。花弁が厚く弁質が良いため、雨にも強く花形がくずれにくいのが特徴です。2000年の世界バラ会議で栄誉殿堂入りをしました。
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エレガント・レデイ(別名:ダイアナ プリンセス オブ ウェールズ)。 1998年アメリカで作出され、花色はクリーム色とピンクの覆輪で、花びらは厚みがあります。大輪系で、高級感のあるバラです。
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バニラ・パフユーム。1999年アメリカで作出された。ベージュがかったアイボリー色。花弁数の多い整った花形と、繊細な花色が落ち着いた雰囲気。香りもよく、「和」にも合いそうな魅力的なバラです。
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以下、特徴の説明を省略して、掲載します。
デステイ・ベス。 1925年イギリスで作出された。
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スーパー・スター。 1960年ドイツで作出された。
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アメリカーナ。 1961年アメリカで作出された。
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聖火。 1966年日本で作出された。
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プリンセス・サヤコ 1980年フランスで作出された。ミッテッン大統領が皇室へ献上したバラ。
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芳純。1981年日本で作出された。名前のとおり香りの良いバラ。
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緋扇。 1981年日本で作出された。
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ピンク・パンサー。1981年フランスで作出された。
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カトリーヌ・ドウヌーブ。 1981年フランスで作出された。
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ビクトル・ユーゴ。 1985年フランスで作出された。
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希望。 1986年日本で作出された。
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ジナ・ロロブリジダ。 1997年フランスで作出された。
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今年の神代植物公園受賞のバラ。作出年は不詳。
金賞のバラ:クイーン・オブ・神代。
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銅賞:長香。
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芳香賞:ルージュ・ロワイヤル。
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モダンローズのハイブリッド・テイー以外のバラについては、次回ブログ「神代植物公園のバラ その2」に掲載します。
以上
by midori7614 | 2016-05-24 05:01 | 関東のみどり
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