のん木草・みどり見て歩き

6月5日 富士山・御庭散策

かわさき市民アカデミー・みどり学エクセレントのK先生の野外学習が、富士山・御庭で行われ、野外サポーターとして、参加してきました。受講生の安全誘導の仕事(先導と最後尾)を、2名の野外サポーターで交代しながら行いましたので、その合間に撮影した写真です。主として、最後尾の見守りをしながら、撮影できた植物の写真を当日受講された受講生の参考になればと思い、掲載させていただきます。

行程は、次の通りでした。(奥庭バス停の駐車場でバスを降り、以後は全部徒歩。)
奥庭バス停駐車場 -樹木を観察しながら五合目の天地境に出る -側火山の噴火口を観察-白草流しで土石流地の堆積物と植生を観察-お庭の割れ目噴火の跡地でカラマツ偏形樹などを観察-大沢崩れへの道に入り、シラビソ、コメツガ、ゴヨウマツ、ナナカマドの森を見る-森林の樹種構成などの観察―奥庭バス停駐車場付近まで下山し昼食→トイレ済ませてバスに乗車。

この時期のお天気としては、散策中には雨に降られずに済み、下山のバス車中から、雨が降りだすというギリギリセーフと言った感じで、ラッキーでした。

スバルラインを登るバス車中からは、森林限界の2350mのお中道付近に、ガスがかかっているように見えましたの、諦めていましたら、お中道から南アルプスの全山を見ることも出来ました。
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富士山もいつも見えていました。
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K先生の授業は、寄生火山、溶岩流、溶岩礫、溶岩礫屑のスコリアに最初に生えるオンタデ、イタドリ、カラマツ、地質の高低、風当たりの環境によって異なる植生、土壌ができ始めて出現するコメツガ、シラビソなどの植生遷移など、その場所で見られる現象の原因を説明していただきました。日ごろ、何となく見過ごししてしまっていることに、初めて気が付き、それ相当の理由があることを学べました。それについては、受講生の記憶にお任せし、ここでは、見られた植物の一部について、私なりの説明を追加して、掲載させていただきます。

カラマツ。(落葉松、唐松)マツ科カラマツ属の落葉針葉樹。日本の固有種。
天然林は東北地方南部・関東地方・中部地方の亜高山帯から高山帯に分布し、日当たりのよい乾燥した場所が生育に適する。富士山、浅間山に見られるように、火山の溶岩流跡地に一早く自生する。
富士山とカラマツ。
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カラマツの稚樹。
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強風による偏形樹。
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風雪に耐えた根性樹。
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3~4代の雌花(=松かさ)が付いていました。
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ダケカンバ。(岳樺)カバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹。
日本では、北海道〜近畿地方、四国の亜高山帯に生える。シラカンバよりも更に高い高度に分布する。森林が何らかの理由で破壊されたあとに真っ先に生える木であることの特徴はシラカンバと共通する。亜高山帯の上部、森林限界近くではしばしば純林に近いダケカンバ林となる。
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ミヤマハンノキ。(深山榛の木) カバノキ科ハンノキ属の落葉広葉樹。
高山または亜高山帯に生える。下部から枝分かれし、株立ち状になる。
雄花序と葉芽、雌花序。
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若葉と雄花序。(若葉は成葉と雰囲気が違います。)
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雌花序(左上の上に向いている小さい花序)と雄花序[右下の垂れ下がっている]をアップ。
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昨年の実。
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ミヤマヤナギ。(深山柳)ヤナギ科 ヤナギ属
北海道と本州中部以北に分布。亜高山帯から高山帯に生える落葉低木。
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コケモモ(苔桃)ツツジ科スノキ属の常緑小低木。
果実を食用とするが、栽培されることは稀で、野生のものを採取するのが一般的である。栄養分の少ない土地でも耐えられるが、アルカリ性の土壌では生育できない。耐寒性にすぐれ、-40℃以下でも耐えることができる一方、夏が暑い場所では生育しにくい。まだ、つぼみでした。
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クロマメノキなどのツツジ科スノキ属の仲間と思うが、この写真だけでは同定しがたい。
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ハクサンシャクナゲ。(白山石楠花) ツツジ属シャクナゲ亜属の低木。
亜高山帯の暗い針葉樹林内を彩る代表的な花であるが、開花は7月で、今回は葉だけを見る。
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常緑広葉樹にもかかわらず寒冷地や亜高山帯に生き残るのは、葉の裏側を中に筒状にして、寒さと乾燥に耐えているからだろう。葉表から見ると。
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葉裏を見ると、毛も密生している。
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オンタデとイタドリ。タデ科。
お中道の砂礫地や崩壊地には、もともと高山の砂礫地に生える多年草の「オンタデ」と低山から上がってきた高山型の「イタドリ」が混生している。この種別を同定するのは、葉の基部の形などを判定する必要があり、葉を採集しないと難しい。今回は、一瞥しただけなので、はっきり同定できないが、感覚的な感じでは、次のように思われる。間違えていたらゴメンナサイ。
オンタデと思う。
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イタドリではないかと思う。
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フジハタザオ。アブラナ科ハタザオ属。
富士山の固有種。森林限界付近、荒地に分布する多年生草本。根は細かく、礫の移動が激しい場所でも、礫とともに下方に流されながら生育することができる。草丈10~35cm。茎はしばしば株状になり、星状毛がある。 根出葉は広披針形で長さ2~8cm。先は鈍形で、基部は次第に細まり、縁に粗い鋸歯がある。花は総状に10個程度つき、花弁は白色で直径1.5~2cm。今回見られた唯一の花でした。
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なお、前回掲載しました「5月11日富士山御庭散策の下見」も改めてご覧いただきますと、今回のK先生の野外学習の復習にお役に立つかもしれません。
以上
by midori7614 | 2015-06-06 15:18 | 関東のみどり
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