のん木草・みどり見て歩き

5月14日 都立薬用植物園 その1

かわさき市民アカデミーみどり学受講生有志で結成しているサークル「みどり葉っぱ会」の見て歩き行事で、都立薬用植物園へ行ってきました。
5月中旬と言うのに、日中は晴れ、日中の降水確率0%、日中気温度28~31度の夏日となりました。
今回は、薬用植物園の花案内人が午前中の観察の説明役をお引き受けいただき、10時待ち合わせでした。参加者5名全員が9時45分までに集まりました。この日は、9時30分から10時までの30分間だけ、今回のお目当ての麻薬取締法で規制されているケシの花が二重の鉄柵の内側に入って、見学と写真撮影を許されている年2日の合計60分だけ許されている特別な時間帯でした。私たちも、この日は、参加者が5名と少なかったので、すぐに対応できて、10時待ち合わせ前の15分間ほど、ケシの花を手にとれるような近さから、見学と撮影を堪能いたしました。大変ラッキーなスタートを切ることができました。
引き続き、10時から11時50分までは、薬用植物園の花案内人の中でも、説明が上手との定評のあるSさんに、懇切丁寧で、いつもは1時間程度といわれる案内時間を大幅に延長していただきました。これは本日2番目の幸運に恵まれました。昼食休憩も、予定していた東屋が空いていて、ゆったりと椅子にすわって、食事ができました。食事がほぼ終了するころに、花案内人のSさんが来られて、近くに姿を現したオニノヤガラつぼみを教えてもらいました。初めて見る腐生ランでしたので、これが本日3番目のラッキーでした。
食後は、5名だけで、カルミアの飛び跳ねるオシベ、ウスゲサイシンの花探し、シランの花粉塊、双子~三つ子の梅の実、毛だらけのメグスリノキ、ザラツク葉のロウバイなどを見て回り、最後に温室の中のムユウジュの花、カカオの実、低温室のヒマラヤの青いケシなど沢山の花を見られて、幸運に恵まれた薬用植物園の見て歩きは15時頃に終了しました。
暑い中、ほとんど休憩も取らずに、見て歩きを続けてしまいましたので、近くの華屋与兵衛で、お茶にして、5人と少人数でしたので、和気あいあいの歓談をしました。帰りのバスも南武線の電車も、席はバラバラでしたが、全員座れて、無事に帰宅できました。こんなに幸運に恵まれた見て歩きは私も初めてでした。良かった良かったという感じでした。
写真撮影できたケシとその仲間をその1に掲載し、その2以降は、歩いて見られた順に樹木と草本を区別せずに、掲載してみます。参加者の復習になれば良いと思い、見られた植物を網羅して、5回に分けて、掲載させていただきます。

では、その1をスタートします。
○麻薬のケシ。
ここでのケシ栽培は麻薬を作るためでなく、薬用植物としての研究栽培ですが、最近は、麻薬取締りをしている警察などの関係者に、役立つ施設になっているそうです。
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麻薬取締法で規制されているケシ類は、植物分類学上ではケシ、アツミゲシ、ハカマオニゲシの3種です。
ケシ(ここでは、その中からイラン種を掲載)。
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アツミゲシ。
名の由来は、昔、愛知県渥美半島の海岸地帯に逸出したものが自然状態で群生していたことに因む。本種は繁殖力が強く、種が小さいこともあって散布されやすいので、一旦、定着すると根絶することは容易ではない。
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ハカマオニゲシ。
ハカマオニゲシは規制されていないオニゲシと規制されているケシの交配種と言われています。
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ケシの中には、品種としてイラン種、ボタン咲き種、一貫種、ボスニア種があります。(もちろん、これらもケシですから規制の対象です。)
イラン種。
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ボタン咲き種。
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ボスニア種。
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一貫種。
アヘンの生産に適しているのはこの一貫種です。これは早咲きなので、手前はもう花が終わって、刈り取られていましたが、遠く離れたところに2輪だけ咲き残っていました。
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アヘンは、俗にいう未熟なケシ坊主に傷をつけて出てくる乳液を集めて乾燥したものです。
では、ケシ坊主はどのように出来るのでしょうか?
花の時には、中央にオシベに囲まれたメシベです。
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花弁とオシベが散り落ちて、メシベの子房が膨らんできたのがケシ坊主です。メシベの柱頭の残滓が判りますね。
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○無許可で栽培できるケシ種
オニゲシ。
西南アジア原産といわれる多年草ですが、栽培規制種のハカマオニゲシとよく似ており、素人の方では区別は困難です。
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ヒナゲシは欧州原産の多年草でいわゆるケシ坊主は大きくなりません。別名をグビジンソウ(虞美人草)、シャレーポピーとも呼ばれています。
シャレーポピー。
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チューリップポピー。
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見た順では、最後でしたが、同じケシ科ですので、低温室に栽培されていたヒマラヤの青いケシです。
ケシ科メコノプシス属の一つ。西ヨーロッパと中央アジア、ヒマラヤの高山地帯、ミャンマー北部及び中国横断山脈という隔離分布をする一年生もしくは多年生の草本植物であり、50種近くが知られている。
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なお、身近で見られるケシの仲間には、花弁4枚のヤマブキソウ、クサノオウ、ナガミヒナゲシ、ミヤマキケマン、ムラサキケマン、ジロボウエンゴサクと花弁がないタケニグサがあります。これらは、すべて有毒植物という共通点があります。
ヤマブキソウ。
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クサノオウ。
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ナガミヒナゲシ。
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ミヤマキケマン。
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ムラサキケマン。
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ジロボウエンゴサク。
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タケニグサ。
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以上
by midori7614 | 2015-05-17 19:37 | 関東のみどり
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