のん木草・みどり見て歩き

3月11日 神代植物公園見て歩き・椿編

梅編に引き続き、椿編を掲載させていただきます。

まず、花をご覧いただく前に、椿のミニ知識をご提供しましょう。
ツバキ(椿、海柘榴)またはヤブツバキ(藪椿)は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹。東南アジア温暖多雨地域固有の照葉樹林の代表的な樹木。自生は東南アジアに約250種(サルウインツバキ、金花茶、ハイドウンなど)、日本に自生するのは4種(ヤブツバキ、ユキツバキ、サザンカ、ヒメサザンカ)。ヤブツバキの地域の中に、他の3種の地域がある。ヤブツバキは本州北端夏泊半島以南の日本、台湾、韓国の一部に自生する。ユキツバキは本州日本海側の滋賀県椿坂峠以東から田沢湖までの豪雪地帯で、標高400m以上の山岳地帯に自生する。サザンカは琉球列島から九州や四国の一部に自生する日本固有種である。ヒメサザンカは琉球列島固有種で、小輪で房状に咲き、ほのかな香りがある。

・東南アジアから世界へ広がったツバキは、バラ、ランと並び、世界の3大名花となった。
・湿暖多雨の梅雨前線の移動する地域に自生して、進化している。
・自生の原種数が多い地域がツバキの起源地と考えられ、中国雲南省から広まったと考えられる説が有力である。
・原種数が少ない日本は起源地雲南省から遠いので、ヤブツバキは起源当時の原種と考えられる。
・原種数で最大の中国は、観賞用ではなく、食用油資源として栽培されてきた。
・世界の花となった貢献度から言えば、シーボルトが西欧へ持ち込んだヤブツバキ(品種名:正義)が主役だったと言えよう。
・日本の品種数は約3千種だが、海外の方が椿品種改良に熱心で、6千種以上の新品種が作られた。
・花が美しく利用価値も高いため『万葉集』の頃からよく知られた植物。
・観賞が盛んになったのは、茶花として利用されるようになった室町時代末とされている。
・他家受粉で結実するために変種が生じ易いので、古くから品種改良が行われてきた。
・江戸時代には将軍秀忠が好んだことから大流行し、約8百種の新品種(江戸椿)が作られた。
・和名の「つばき」は、「厚葉樹(あつばき)」または「艶葉樹(つやばき)」が訛化した。
・ツバキの花は、花びらが個々に散るのではなく、オシベと花弁が一緒に落ちる。
・椿油は、種子(実)を絞った油で、「和製オリーブオイル」とも呼ばれ、用途が広い。
・漢字の「椿」は日本製漢字で、中国で「椿」の字は庭漆を指す、ツバキは「山茶」「紅山茶」の漢字である。
・夏に白い花を咲かせるツバキは、ナツツバキ(夏椿)と呼ばれる同じ科属の花。
・欧米ではサザンカとツバキの区別がなく、両方ともカメリアと呼ばれている。
・ツバキの島は伊豆利島。小さい島だが土地の8割がツバキ畑で、油の原料生産をしている。

次に、ヤブツバキの特徴を見ながら、花の構造を見てみましょう。(この花は神代植物公園の花ではなく、個人宅に咲いていた花をいただいたものです。)
花を正面から見ると。
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花を横から見ると。花の開きは半開。
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花を裏側から見ると。萼片がしっかりと花弁を守っている。
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オシベ(花糸)を見る。花糸の半分ぐらいがくっついていており筒状だ。
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オシベを半分取り除いて、メシベ(子房)を見る。
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メシベと萼片だけにしてみる。子房は無毛。
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分解した花の器官を並べてみる。花弁5枚、オシベ142本、メシベ1本でした。
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神代植物公園には、結構沢山の園芸品種が見られます。
○ユキツバキ:日本海側の豪雪地帯で作出された品種群。原種のユキツバキ(藪椿の変種)が元になっている。寒さにはよく耐えるが、冬に乾燥する太平洋側では育ちにくい。
○京ツバキ:主に一重咲き。江戸時代に、主に関西で作出されたもの。
○江戸ツバキ:一重から千重咲きまでさまざまな花形。江戸時代に、主に江戸近郊で作出されたもの。
○中部産:江戸時代に、尾張地方で作出されたもの。
○洋種ツバキ:欧米で作られた品種の総称。米国での作出品種が主流。千重咲きが多い。
○亜熱帯系ツバキ:葉が大きく、やや寒さに弱い。

○侘助はヤブツバキとチャノキの交雑種「太郎冠者」の実生でないかと言われている。
侘助の仲間を侘助ツパキと言い、その特徴は次の通り。
①子房に毛が生えている。
②花形は一重から半八重咲き。
③花の大きさは極小輪から小輪まで。
太郎冠者。
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紅侘助。
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白侘助。茶人が好む椿。
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他に、見られる私好みの椿を一部ご紹介しておきます。
吾妻絞。
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赤腰蓑。
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加茂本阿弥。
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数寄屋。
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鎌倉絞。
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卜伴。
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卜伴錦。
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京唐子。
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白唐子。
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明石潟。
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岩根絞。
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紺侘助。
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日月。
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以上
by midori7614 | 2015-03-15 13:44 | 関東のみどり
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