のん木草・みどり見て歩き

3月11日 神代植物公園見て歩き・梅編

かわさき市民アカデミーみどり学受講生有志で結成しているサークル「みどり葉っぱ会」の見て歩き行事で、梅と椿の観賞を主な目的として、神代植物公園へ行ってきました。
園内の見て歩きコースは次の順序でした。
正門10:00→山野草園→桜園→マグノリア園→かえで園→梅園→深大寺門近くの蕎麦屋→つばき・さざんか園→深大寺門近くの雑木林→せせらぎの小路→流れの山野草園→展示室→正門(14:30解散)
今回のブログ掲載は、梅編、椿編、初春の花に分けて、3回に分けて掲載させていただきます。

まず、梅編です。
丁度見ごろの時期で、花盛りでした。
正門近くの池のふちに植えられていた梅の大木。
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園内中央の桜園近くの薄色縮緬という品種の梅。
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梅林風景。
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ご覧いただくご参考に、梅のミニ知識をご紹介しましょう。

ウメ。バラ科サクラ属の落葉高木。 和名ウメ、学名Prunus mume
英名Japanese apricot 、中国名 梅(メイ) 
花芽はモモと異なり、一節につき1個となるため、モモに比べ、開花時の華やかな印象は薄い。毎年2月から4月に5枚の花弁のある1cmから3cmほどの花を葉に先立って咲かせる。花の色は白、またはピンクから赤。葉は互生で先がとがった卵形で、周囲が鋸歯状。樹皮はかたく、多数の枝を出す。一重咲きの花は、蕚片、花弁ともに5枚、メシベ1本、オシベ多数。花の色は白、淡紅、紅色、濃紅色、一重咲き、八重咲きなど園芸品種は300種以上ある。

◎梅の分類。  「植物学的分類」と「園芸上の分類」がある。
(1)植物学的分類: 牧野富太郎博士は、ウメを次のようないくつかの変種に分類している。
①豊後梅 アンズとウメの雑種。
②小梅 葉も花もふつうのものより小柄で、果実も小さい。
③てっけん梅 花弁は蕚片より小さく、いわゆるシベ咲きとなる。
④座論梅 八房ともいい、一つの花中に子房が数個あり、一つの花から数個結実する。
⑤緑蕚梅 青軸ともいい、蕚が緑色を帯び、新梢も緑色を呈する。

(2)園芸上の分類: 果実の収穫を目的とする「実梅」約100種と、観賞を目的とする「花梅」約300~400種に分ける。さらに、「花梅」を木の性状により、次の7種類の「性」に分ける。最近は、3系統(野梅系、豊後系、紅梅系)に分け、そのうちの紅梅系を更に次の3種(紅梅性、緋梅性、唐梅性)に細かく分けて、9種類の性としている。ここでは、従来の7種の性で分けています。
①野梅性(原種に近い、葉が比較的小さく、枝もよく出て、香りが良い、花は中輪で白色が多い) 
②紅筆性(つぼみが筆の先のようにとがり、紅色になる) 
③難波性(葉が丸く、枝が細かい、香りが良い、花は白色が多いがまれに淡紅色) 
④青軸性(つぼみが緑白色、枝は濃い緑色) 
⑤豊後性(杏との自然雑種、枝が太く、葉は丸く大きい、葉に毛がある、花は大輪で淡紅色)
⑥杏性 (杏との自然雑種、枝は豊後性よりやや細い、葉は大きくなめらか、花は中輪で淡紅色) 
⑦紅梅性(枝は細く密に出る、枝の断面の中心部髄が紅色、花は多くは中輪で紅色)  
以上の性のほか、性とは関係なしに葉や枝の色形の変化で枝が垂れ下がるものを「枝垂れ」、葉の形が本来のウメと異なるもの、あるいは斑入り、絞りなど色の変化のあるものを「葉変わり」、新しい枝に黄白色の斑が入り、冬に紅色となるもの「錦性」、新しい枝に筋状の斑が入るものを「筋入り」という。また、竜が臥したように枝が地をはうものを「臥竜梅」という。

◎花の大きさの基準?
 花の大きさは栽培法、樹勢、樹齢等によって異なるが、満開時の花の直径により分けている。
極大輪4㌢以上)、大輪(3~4㌢)、中大輪(2.5~3㌢)、中輪(2~2.5㌢)、小輪(1.5~2㌢)、極小輪(1.5㌢以下)

◎開花期 :  梅の花が見られる期間は、12月上旬から4月上旬ですが、同じ品種でも、九州では東京より2週間ほど早く、東北では3週間くらい遅れるようです。

◎神代植物公園で見られる品種の中から、この時期見られるものを一部選んでみました。(あいう・・順)
曙枝垂れ:野梅性。大輪。シベ短く、花底は濃茶黄色。蕚は紅茶色。筋入りがある。
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淡路:野梅性。中輪。三重。蕚は緑色で先茶赤色。花底は青黄茶色。1月中旬~3月上旬咲き。
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大盃:紅梅性。大輪。抱え咲き。シベ長く紅色。散開。蕚は濃いこげ茶色。樹勢強健。盆栽用。
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鹿児島紅:三重。紅梅性。中輪。シベは赤色で正開。蕚はこげ紅茶色。盆栽・庭木用。
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月宮殿:野梅性。乳白色。大輪。抱え咲き。シベ中長で散開。盆栽用。2月上旬~3月中旬咲。
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見驚:淡紅から移り白。野梅性。大輪。はでな花。樹勢強健。庭木用。2月上旬~3月中旬咲。
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白難波:難波性。中輪。挿し木でよく発根、台木に用いる。1月下旬~3月上旬咲。
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月影:青軸性。青白色。中輪。枝も蕚も緑色で美しい。盆栽用。
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唐梅:紅梅性。中輪。赤筋が入り、弁端ぼかし。盆栽・庭木用。
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榯出(トヤデ)の鷹枝垂れ:野梅性。大輪。開花の後、色濃くなる。錦性、筋入りもある。盆栽用。
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梅郷:実梅。大輪。花粉多い。自家不結実性。果実大。品質上。樹勢強。2月下旬~3月中旬咲。
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緋梅:一重。紅梅性。小輪。シベ長くて赤い。花心は緑色。樹勢はやや弱い。盆栽用。
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紅千鳥:紅梅性。中輪。旗弁が出る。明るい赤。丈夫で庭木用。2月上旬~3月中旬咲。
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藤牡丹枝垂:豊後性。大輪。蕾は紫色から満開で淡紅色。2月上~3月中旬咲。
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未開紅:豊後性。中輪。抱え咲き。開花の時、1~2弁咲き遅れる。蕚は茶。緑枝性。庭木用。
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緑蕚:青軸性。青白色。中大輪。蕚は緑色。花弁は波打つ。盆栽・庭木用。
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八重海棠:紅筆性。中輪。三重。ぼかし。花弁は大きく波打ち、半開。2月上旬~3月中旬咲。
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思いのまま。野梅性。中輪。花弁の色が紅白の色違いとなる。樹勢強健。庭木用。
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なお、掲載容量の関係で、白加賀、長束、道知辺、月の桂、故郷の錦、蓮久については、写真はありますが、カットさせていただきました。

以下、ご参考に、梅に関するミニ知識をご紹介しておきます。
◎観梅のポイント
花を眺め、楽しむのは、人それぞれで良いのですが、昔の風流人、現代の茶道をされる人は、次のポイントを挙げていますので、ご参考に3点を列挙します。
①花とつぼみの色を見る。(花びらだけでなく、萼の色・形も楽しく眺める。)
②枝ぶりを眺める。(枝がいろいろと曲がっているのを楽しく眺める。)
③ほのかな香りを嗅いで楽しむ。(開花したての、花粉が多い花が良く香る。)

◎「紅梅・白梅は、花の色で見分けると思っていませんか?」
紅梅・白梅は、正式には「髄の色」で区別します。「髄」とは、茎の中心部にある柔組織で、枝の断面を切ると見える部分で、梅は髄が赤色のものと白色のものがあり、分類の指標になっています。
髄が赤いものが紅梅、白いものを白梅と言います。まぎらわしい紅梅・白梅があります。「花は赤、髄は白」の八重寒紅→分類上は白梅、「花は白、髄は赤」の錦性雪灯篭、雪の曙→分類上は白梅。

◎「桜伐(き)る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿」の意味。
春先に咲く代表的な花である桜と梅の二つを対比しつつ、栽培上の注意を示したもの。
桜はむやみに伐ると切り口から腐敗しがちであり、剪定には注意が必要。一方、梅の樹は剪定に強く、むしろかなり切り詰めないと徒枝が伸びて樹形が雑然となって台無しになるばかりでなく、実の付き方も悪くなる。花芽は年々枝先へと移動する結果、実が付く枝は通常数年で枯れ込んでしまう。実の収穫を目的とするのであれば、定期的に枝の更新を図る必要があるからである。

◎「梅」という字のつく樹木:  「蝋梅(ロウバイ)」、「黄梅(オウバイ)」、「檀香梅(ダンコウバイ)」は「梅」の咲く頃に咲き、どこか梅と共通点があるので、梅の字が付けられた。でも、「蝋梅(ロウバイ)」はロウバイ科ロウバイ属、「黄梅(オウバイ)」はモクセイ科ソケイ属、「檀香梅(ダンコウバイ)」はクスノキ科クロモジ属で、梅の仲間でないどころか、それぞれ同じ仲間ではない。
以上
by midori7614 | 2015-03-15 13:19 | 関東のみどり
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