のん木草・みどり見て歩き

2月20日 新宿御苑見て歩き会 その1

かわさき市民アカデミーみどり学受講生有志で作っているサークル「みどり葉っぱ会」で、新宿御苑へ行ってきました。この寒い時期は、見るべき花が少ないので、ゆっくり見て歩きしながら、いつもより詳しく、丁寧に説明することにしました。この日はほぼ快晴で、風もほとんど吹かず、寒さを感じないで歩け、ラッキーでした。
見た順序とは異なりますが、見られて説明した植物は次のとおりでした。(但し、温室内の植物については今回のブログ掲載から除かせていただきました。)
樹木の花:アセビ、ウメ(八重寒紅)、寒桜、河津桜、十月桜、サンシュユ、ジャノメエリカ、ミツマタ。
草本の花:フクジュソウ、スイセン(ニホンスイセン、八重咲きのニホンスイセン、ペーパーホワイト)。
樹木の花以外の特徴:アジサイの冬芽、ハクモクレン冬芽、根、ヒマラヤシーダの樹形、垂れ下がる枝、雄花、モミジバスズカケノキ実と冬芽、ラクウショウ(別名:ヌマスギ)気根、ヒマラヤシーダの樹形、垂れ下がる枝、雄花。
上記の植物について、2回に分けて順次掲載させていただきます。
樹木の花。
○アセビ。 ツツジ科アセビ属 和名:馬酔木
花は3~4月ころに白色のつぼ状の小花を花枝の先に密につける。花冠は、5裂して、先の方が少しつぼまる。名の由来は、馬がアセビの葉を食べて中毒を起こして、酩酊状態になったことからという説と、食べると、中毒を起こして、足がしびれることから、アシシビレが転訛して、アセビという名になったという説がある。
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新宿御苑の花ではないが、以前に撮影済みの写真で、花の構造と特徴を説明した。
下向きの花を下から覗くとメシベとオシベが見える。花冠の先端が反り返り、ハナバチがつかまり易くなっている。 
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つぼ型の花冠の先を一部カットして、オシベとメシベをしっかり確認する。オシベの葯(花粉袋)に、2本の角が出ている。下から、ハナバチが蜜を狙って、口吻を伸ばすとこの角に触れて、葯(花粉袋)が揺れる。その時、サラサラした花粉がハナバチの口の周りに降り注ぐことになる。ハナバチはこの花粉を別の花のメシベに授粉することになる。
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花を縦割りに2分割して、メシベとオシベをしっかり確認する。メシベの緑色の子房がしっかり付いていて、その基部に蜜が滲んでいる。ハナバチはここまで口吻を伸ばすので、オシベの角には触れざるを得ないことが判る。
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ウメ(八重寒紅)。 バラ科サクラ属。
果実の収穫を目的とする「実梅」約100種と、観賞を目的とする「花梅」約300~400種に分ける。さらに、「花梅」を木の性状により、次の7種類の「性」に分ける。
①野梅性(原種に近い、葉が比較的小さく、枝もよく出て、香りが良い、花は中輪で白色が多い) 
②紅筆性(つぼみが筆の先のようにとがり、紅色になる) 
③難波性(葉が丸く、枝が細かい、香りが良い、花は白色が多いがまれに淡紅色) 
④青軸性(つぼみが緑白色、枝は濃い緑色) 
⑤豊後性(杏との自然雑種、枝が太く、葉は丸く大きい、葉に毛がある、花は大輪で淡紅色)
⑥杏性 (杏との自然雑種、枝は豊後性よりやや細い、葉は大きくなめらか、花は中輪で淡紅色) 
⑦紅梅性(枝は細く密に出る、枝の断面の中心部髄が紅色、花は多くは中輪で紅色)  

今回見られた「八重寒紅」は、野梅性の早咲きの花梅である。
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つぼみと開花し始めたばかりの花。ウメは花芽の中に花1個。(同じバラ科サクラ属でも、サクラは花芽の中に、花は3~7個ある。)
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ウメの花は花柄がほとんどなく、枝から直接に花が付く。(同じバラ科サクラ属でも、サクラは花柄があって、枝から垂れ下がって咲く。)
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ウメの花1輪をアップ。
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更に、オシベとメシベをアップ。メシベが2本見えます。野梅性の原種に近い品種なので、樹勢が強く、メシベの本数が多いのかもと思われます。また、花弁の枚数が八重と多くなっているのは、オシベが花弁に化けたものです。
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◎寒桜。
寒桜は一番早く咲く。つぼみは紅色。花は淡紅色で、縁がやや濃い。葉のでる前か同時に開花。寒緋桜と山桜の雑種と推定されている。
丁度満開の見ごろでした。桜の満開は、ほぼ8分咲きの頃を言うとのことです。
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花とつぼみが見られます。
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一つの花芽から、この写真では4個ですが、樹勢により花が3~7個が垂れ下がります。
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花をアップして、オシベ、メシベを確認。オシベは30数本あり、メシベは1本です。
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新宿御苑の花ではないが、以前に撮影済みの写真で、花の構造と特徴を説明します。
花を縦割りに2分割しますと、メシベの子房と子房の基部に蜜があることが判ります。
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◎河津桜。
早咲きのサクラの一種。大島桜と寒緋桜の自然交雑種と推定されている。どちらが父親か母親であるかは不明。原木は河津町飯田家に現存している。
咲き始めたばかりで、チラホラ程度でした。
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◎十月桜。
エドヒガンの系列でコヒガンの雑種とされている。コヒガンはエドヒガンマメザクラの交雑種といわれるの園芸品種である。江戸時代の後期から広く栽培されてきた。4月上旬頃と10月頃の年2回開花する。花は十数枚で、花弁の縁が薄く紅色になる。また萼筒が紅色でつぼ型である。
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○サンシュユ。 ミズキ科ミズキ属。
中国、朝鮮半島の原産。高さ4~5メートルの落葉する小高木で、花は、3月ころの早春に葉に先だって小さな黄色い花を塊状に付ける。 葉は対生していて、長さ8~10センチくらいで、中脈に対して丸みをもった側脈が6~7対ある。秋にはグミのような長さ1.5~2センチほどの長円形の果実が赤く熟し、味はやや渋みのある甘酸っぱさがある。この花の咲いている様子からハルコガネバナ、秋に紅熟した果実の様子からサンゴバナなどと呼ばれる。
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一つの冬芽の中に、多数の小花が入っています。
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小花をアップすると、花弁5枚、オシベ5本、メシベ1本の花であることが判ります。
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新宿御苑の花ではないが、以前に撮影済みの写真で、花を分解して個数を確認しました。約40個の小花がありました。
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○ジャノメエリカ。ツツジ科。(属名不詳)
南アフリカ原産の常緑低木。花期は11月〜翌年4月頃で桃〜薄紫色の花を咲かせる。
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花の形は釣り鐘形で、雌しべが覗いている。雄しべの葯が黒いのが特徴である。名前は花の中心の黒い部分(葯)が蛇の目模様に見えることから。
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○ミツマタ。ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木。
比較的暖地で日本紙や観賞用として栽培。多くの枝は3出。葉は、長楕円形で全縁(ぜんえん)、長さ13センチくらいで表面は緑色、裏面は灰白色で細毛があり、秋には枝端に花芽(かが)がつく。花は、早春に葉の出る前に咲き、まり状に集まって枝の端に丁字(ちょうじ)形につく。花は球状花序の外側から咲き始める。
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新宿御苑の花ではないが、以前に撮影済みの写真で、花の構造を説明した。
つぼみを縦割りに2分割しますと、既にメシベとオシベが出来上がっている。
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花の筒状部は長さ約7ミリで花弁(かべん)状のがく片で、外側は蜜毛で覆われ白色で、内側は黄色。オシベはがく筒の内面に上下2段につき、メシベの花柱は長く花外に出る。
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以上
by midori7614 | 2015-02-23 10:15 | 関東のみどり
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