のん木草・みどり見て歩き

8月6日 カラスウリの花ナイトツアー

かわさき市民アカデミーみどり学受講生のサークル「みどり葉っぱ会」の初めての試みで、8月6日 カラスウリの花ナイトツアーを実施しました。宿河原駅前に、18時30分集合で、長尾山妙楽寺を目指して見て歩きをしました。途中で見られたワルナスビから、ナス科(ナス、トマト、ジャガイモなど)の話をしました。サツマイモを見て、アサガオの開花、ゴーヤを見てウリ科の花が雌雄同株であったり、雌雄異株であったりの話をしながら、あじさい寺入口のバス停を過ぎ、カラスウリの花が沢山見られる崖斜面に着きました。そこからは、初めてカラスウリの花をご覧になった参加者は興奮気味に、写真撮影に夢中になってしまいました。当日撮影した写真と以前に撮影済みの写真をまじえて、カラスウリについて、説明をまじえながら、花の写真を掲載してみます。

結構、沢山の花が見られました。カラスウリ(烏瓜)はウリ科の植物で、つる性の多年草。林や藪の草木にからみついて成長し、夜間だけ開く花です。
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花期は夏で、7月~9月にかけての日没後から開花する。
フラッシュを使用せずに撮影した花。実際には、このようにぼんやりと白く見えるだけですので、注意してみないと見えません。5070
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つぼみが開いたばかりの花は、レース状の花弁の先端は内側に丸まっている。5139
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一つの花のレース状の花弁の先端が展開する様子を追いかけてみました。5弁の花弁のうち、右下の花弁から時計回りに、拡がっていきました。
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レース状の花弁の先端が全開しました。最初の花からでは、約16分かかりました。この花は、長い花筒の基部がメシベの子房で膨らんでいるので、雌花と判ります。また、雌花はおおむね単独でつきます。
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花は翌朝、日の出前には萎みます。
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更に、短い日数で、メシベの子房は大きくなり、若い実の状態へと変わっていく。
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雌花の中心にあるメシベの先端は三つの柱頭(一つの柱頭が更に分裂しているので6つに見える)に分かれているのですが、フラッシュで撮影した花では判りにくいですね。長い花筒の基部が膨らんでいる点で見分けるのが簡単です。
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一方、雄花の見分けは、花の中心が棒状のオシベ1個で区別できますが、やはりフラッシュで撮影した花では判りにくいですね。長い花筒の基部が膨らんでいなくて、花序に複数の花の残滓やつぼみが見える点で見分けるのがやはり簡単です。
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開花する前の雄花のつぼみ。一ヶ所から複数つき、数日間連続して開花する。
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開花した雄花の花筒の基部に注目して下さい。一ヶ所の花序から複数のつぼみが付いています。
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二つの花が一緒に咲いているのは、雄花です。
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さて、花が全開した後は、やや後部に反り返り、縁部が無数の白く細いひも状になって伸び、直径7~10cm程度の網あるいはレース状に広がります。花は翌朝、日の出前には萎む。
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カラスウリが夜にこのような目立つ花になった理由は、受粉のため夜行性のガを引き寄せるためであると考えられており、ポリネーターは大型のスズメガです。(確かに、スズメガが花から花へ飛び回っている事実は確認できましたが、その証拠写真はまだ上手に撮影できていません。)カラスウリの花筒は非常に長く、スズメガ級の長い口吻を持ったガでなければ花の奥の蜜には到達することはできず、結果として送粉できないためであると言われています。花筒の付け根(=基部)が、色や膨らみの違いから判りますね。花筒はこんなに長く、その奥に蜜があるのですね。

カラスウりの花を観察するだけでも、植物の生態の不思議さ、花と昆虫の巧妙な不思議な関係が判り、興味が尽きないですね。

なお、ウリ科の栽培作物であるキュウリ、ゴーヤ、カボチャ、スイカは雌花と雄花は同じ株につき、雌雄同株と言われます。自然に育っているカラスウりは雌花と雄花は別の株につき、雌雄別株と言われます。ところが、いろいろ調べてみましたら、近年ではインテリアなどの用途としてカラスウリも栽培されており、一部では、カラスウリの雌雄両株を出荷する農園も存在するとのことです。人間に栽培されるようになると、人間の都合の良いように改良されてしまうことが判りました。
以上
by midori7614 | 2014-08-12 10:45 | 身近なみどり
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