のん木草・みどり見て歩き

キリ(桐)

昨日17日は、かわさき市民アカデミーみどり学Ⅱワークショップの運営世話人主催の野外観察会が金沢自然公園で行われました。私は、観察会の野外サポーターという立場で、参加してきました。帰りに、調布に用事があり、帰宅が遅くなりましたので、疲れてしまい、ブログ更新をお休みしました。本日も、日中外出しましたので、昨日撮影した写真は、これから整理して、明日以降のブログに掲載させていただきます。

本日のブログには、藤色の花がきれいでした「キリ(桐)」を掲載します。

キリの花は5~6センチの両性花で淡紫色(藤色)、小枝の先に円錐花序を形成します。開花は開葉前の4月下旬の後半に始まり、5月上旬ごろが盛花期となり、下旬に終わります。近所の空き地になっている所に、キリの木がありますので、花を観察してみました。

昨年実った果実のカラ(右側)を付けたまま、花が咲いていました。
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一方、花と同時に葉も展開していました。
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円錐花序。
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花数個をアップしてみました。
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茶色の萼片と淡紫色の花冠を確認しておきましょう。
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花1個をアップしてみました。
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花を下から覗きこんでみました。下側の花弁の内側にランのネクターガイド(蜜への道標)と同じような2本の盛り上がったレールが見られます。蜜を求めて来たマルハナバチはこのレールの中を歩き、奥までもぐりこんで、蜜を吸い、その後、レールの中を後ずさりして、頭の上に花粉を付けたり、頭に付けていた花粉をメシベの柱頭に付着させるのだろうと推測しました。
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そこで、合弁花を裂いて、花冠の中を見てみました。短いオシベとメシベが花冠の基部の方に隠されていました。花弁のしわが巧妙なネクターガイドになっていますね。
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基部の方のオシベとメシベをアップして見ました。薄茶色の花粉袋を付けているのがオシベ、白いだけの1本がメシベです。
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花冠を萼からはずしてみました。萼とメシベは一体でしっかり付いています。花冠とオシベは一体です。
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今度は、オシベとメシベに着目して、横から見えるように、裂いて見ました。予想と違って、オシベとメシベは基部の方で曲がって、上方の花弁の内側に付着するようなっています。マルハナバチが蜜を求めて奥に入れるようになっている仕組み・構造は巧妙に作られているのに感心させられました。
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蜜があるのかどうかを確認するため、萼に包まれた花冠の基部の様子を見てみました。蜜で濡れて、光っています。
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外側から見ているだけの時には、全く気が付かなかった花の巧妙な仕組みを勉強させていただきました。

今回、キリについて調べたことを、皆さんのご参考に記載しておきましょう。

キリの花はキクとともに皇室の紋章で、キクは正紋、キリは副紋です。花の数によって、「五三の桐」、「五七の桐」と区別され、皇室の紋は後者です。功績のあった臣下に朝廷から紋章として葉と花をかたどった桐紋(きりもん)を賜ったとのことです。秀吉の太閤紋は有名です。桐紋は日本を代表する文様でパスポートの表紙はキクですが、地紋はキリのデザインになっています。

日本で最も大きな単葉をもつ木です。特に幼齢木の葉は、20~30センチと大きい。葉は通常、対生で、葉柄が長い。葉の両面とも粘りのある毛があります。
若葉の表の毛深さ。
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若葉の裏の毛深さ。
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キリは研磨すれば光沢があり、狂いや割れが少なく、湿気や熱気を防ぐ性質があります。材に細かい空隙が多いため断熱効果もあります。熱伝導率が低く燃えにくい。火事に遭ってもその外側だけが焦げて、炭化すると火を通しにくくなります。
桐(きり)は、吸湿性に富み、軽く加工しやすいことから、材部分は、家具、工芸品、楽器、下駄などに用いられます。琴や琵琶などの楽器材として用いられているのは、材の空洞が多いため、音の響きがやわらかいからです。キリの下駄の歯はやわらかいので摩滅が早いと思われますが、歯の表面に砂や土粒などがくい込むため、摩滅を遅くして、結果として長持ちします。
 田舎では女の子が生まれるとキリを植えて、お嫁入りの時にその樹を切って箪笥にするという風習がありました。

名の由来は、キリの木の枝を切っても、すぐに芽が出てきて、きりが無いという生態から、キリになったとも言われています。
桐は、生命力が強く、生長が早いので繁殖は、切り木(株立ち)、挿し木、葉押し、種子などで容易に栽培ができます。
以上
by midori7614 | 2013-05-18 18:20 | 身近なみどり
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