のん木草・みどり見て歩き

アオキ

アオキは、サンシュユ、ハナミズキ等と同じ仲間のミズキ科の常緑樹です。葉っぱと赤い実が目立っていますが、小さな花は地味ですので、見落としされることが多いです。花の盛りは短いですが、まだ見られるので、身近なところで、見てあげて下さい。

2月には、赤い実がきれいでした。
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赤い実を割ったり、剥いたりしてみました。鳥が消化できるのは薄皮の部分ですので、予想外に栄養分は少ないようです。結構硬い種子の中には白い胚種があって、薄茶色の大部分は胚乳のようです。
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例年ですと、3月に花が開花します。開花する前のつぼみは見向きもされません。開花したって、気が付かない人が多いので、このつぼみは当然、無視されるでしょうね。
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アオキは雌雄別株です。
雄の木の雄花です。オシベ4個。黄色い葯に花粉がある。中央の緑色の1個はメシベですが、退化しており、肝心の花粉を付着させる柱頭は見当たりません。
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次に、雌の木の雌花です。メシベの子房のしっかりした存在を見てください。オシベは見当たりません。
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以前に、こんな話を、読んだ記憶がありますが、著者と本の名前を覚えていません。
18世紀の中ごろに、長崎出島のオランダ商館に来ていたイギリス人が、冬に赤い実を付けているアオキを見たそうです。ヨーロッパにはないきれいで、大き目の、赤い実ですので、クリスマスの時に売れる植物として、植物ハンターとして、大事に持ち帰ったそうです。イギリスで、毎年大切に育てて、赤い実を付けたら、それをまいて増やそうとしたとのことです。しかし、毎年、花は咲けども実のひとつだに付けません。後日、雌雄別株であることが判りましたが、当時、イギリスと日本は通商がなかったので、雄のアオキを手に入れることが出来ませんでした。19世紀後半になって、ようやく、日本からアオキの雄の木を手に入れ、雌の木に赤い実を付けさせたそうです。約100年間、アオキの雌の木は、日本から雄の木が来るのを、首ならぬ枝を長く伸ばして待ち焦がれていたそうです。人間は何年待っていられるでしょうか? 植物の忍耐力というか一途な思いに感心させられます。
 この話しは、私の得意とする受け売りの話しですので、真偽の程は判りません。ご興味のある方は根拠を示す文献を探してみてください。

アオキは木陰で、低木の仲間の中では、たくましく生長しています。なぜ、こんなにはびこるのでしょうか?
赤い実で、増えるばかりでなく、枝が倒れて地面につくと、そこから発根して、新たな株になるので、種子による有性生殖以外に、枝の付着による無性生殖でも、増加するので、はびこることになるのだと思います。また、枝も緑色で、葉だけでなく枝でも光合成しているので、日蔭でもたくましく生長しているのだと思います。
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以上
by midori7614 | 2013-04-25 15:15 | 身近なみどり
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