のん木草・みどり見て歩き

3月10日 明治神宮の森

森林インストラクター農学博士の渡辺一夫さんが講師の樹木観察会があるという情報をいただきましたので、申し込んで参加してきました。
3年ほど前に、渡辺一夫さんが書かれた次の本を読んで、感銘を受けて、時々その記載内容を私も受け売りをしていましたので、一度お会いして、かわさき市民アカデミーみどり学Ⅱワークショップの講師を依頼してみたいというのが目的でした。
ご参考に、私が購入した4冊を、知的好奇心旺盛な皆さんにもご紹介しておきましょう。
①アセビは羊を中毒死させる
②イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか
③公園・神社の樹木
④森林観察ガイド

明治神宮の森は、明治天皇と昭憲皇太后が亡くなったあと、その神霊を祀るために、大正4年から9年にかけて作られた人工の森です。その森づくりは、東京帝大の林学教授の本田静六を中心に行われ、神社にふさわしく東京の気候風土で形成されるはずの自然林に近い森を目標としました。そのような森を作るためには、大気汚染などで簡単に枯れないこと、天然更新ができる陰樹であることという条件を備えたカシ、クス、シイと言った常緑広葉樹が選ばれました。そして、これらの常緑広葉樹を全国から献木(10万本)によって集めました。
但し、森の体裁を早急に作るために、将来、植生遷移で枯死することを承知のうえでクロマツ、アカマツ、モミ、スギ、ヒノキ、サワラなどの比較的大きな木も植えられました。また、風致木として、イチョウ、ケヤキも排除せずに植栽されました。

上記のような、90数年前の話や、その後の植生遷移の話が随所に入りながら、次のコースで歩きました。
第一鳥居(集合)→南参道(スダジイとシラカシ、谷筋・谷戸代々木のモミ、)→大鳥居→正参道(アカガシ、スダジイとクスノキ)→本殿(アカマツ、クスノキ)→東脇参道(シラカシ)→北参道→北小路(アオキ、シラカシ幼木)→芝生広場(トイレ、休憩)→西参道(スダジイ)→南小路(ムクノキ)→第一鳥居(解散)。

詳しくは、書ききれませんが、途中で撮影した写真を掲載します。

南参道の空は、スダジイとシラカシでおおわれていました。右側の黒っぽい葉はスダジイ、左の薄緑色の葉がシラカシです。同じ常緑樹でも、葉の色でも違いが判りますね。
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南参道を横切る谷筋(谷戸)。ここの台地は13万年前の下末吉台地なので、谷が多い。明治神宮内にも二つの谷がある。谷筋は従来からの落葉樹が残っている。
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代々木の名前の由来となったモミの大木。モミの幼木は親木の下で育ち、親木が倒れると交代して大きく生長する。従って、モミは代々生き残る。(現在のこの木は3代目)
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モミの枝先の様子。
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正参道のアカガシの大木。
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アカガシは木肌が剥けると赤みを見せる。
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アカガシの葉のふちは鋸歯のない全縁。
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常緑樹の中でも、明治神宮では、スダジイ(手前)よりもクスノキ(後方)が一番高く生長している。但し、クスノキの幼木は樹林内では育っていないので、将来、クスノキが倒れるとスダジイが天空を独占すると考えられる。
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本殿近くに唯一残ったアカマツの大木。90数年前の本殿造営時には、この付近はアカマツ林であったが、枯死して、クスノキに置き換わっている。
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樹齢を重ねたアカマツの根元は何をかたっているのでしょうか?
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クスノキの樹冠の形。
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クスノキの葉はお互いが接触したり、重ならないように一定の間隔を開けている。気孔から出るエチレンなどのガスで接近を知り、調整しているようです。
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シラカシの大木。
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歴史を語る根元のコブ。
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シラカシの幼木。
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常緑樹の中で、空間の光を求めて高く伸びている落葉樹。
イヌシデの新しい葉と雄花序の展開。
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コブシのつぼみの展開。
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低木では、アオキが繁殖している。アオキは赤い実で増えるだけでなく、横に倒れた幹枝が地上に接すると根を発根して、伏状更新という栄養生殖でも増える。だから、大繁殖する。
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都市ガスの悪臭がするヒサカキの花。
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ヒサカキの枝先の様子。
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サカキの枝先の様子。頂芽が鳥の足爪のように見えるのが特徴。4825
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本日は、花の少ないブログでしたが、こんな内容もたまには良いでしょう。
以上
by midori7614 | 2013-03-14 14:54 | 関東のみどり
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