のん木草・みどり見て歩き

シンビジューム

本日は山行の予定でしたが、昨日の予想外の雪で、1週間延期となりましたので、おとなしく、家で過しています。

庭は雪だらけですが、室内では鉢植えのシンビジュームの花が例年よりも2週間遅れで満開となっています。このシンビジュームは約30年前にいただいたものを順次、株分けして栽培管理してきて、現在大小あわせて14鉢と増えています。春~秋の暑い期間は、通風の良い日蔭が家の西側の露地通路にありますので、そこに放置していますが、ここが環境として良いのか毎年、花を咲かせてくれます。8991、8989
e0145782_11414549.jpg

e0145782_11422370.jpg

e0145782_1143917.jpg

せっかくブログに掲載しますので、シンビジュームの花をしっかり観察してみましょう。ランの仲間は、キク科の仲間と勝るとも劣らずに、植物の中で一番進化している種類と言われています。従って、不思議な特徴や事象が沢山ありますね。順次、ご覧下さい。

つぼみ。
e0145782_11445083.jpg

つぼみを縦に切り開いて中を見ました。
既に、つぼみの中には、オシベ・メシベを付けている「ずい柱」の形が見えます。メシベの子房は下方の萼筒内に位置していることも判ります。
e0145782_11453137.jpg

開花した花の中を覗き視ましょう。
黄色い塊(かたまり)の葯帽(やくぼう)はオシベの花粉塊(花粉をぎっしりと固めたもの)です。葯帽の葯は花粉のことで、ずい柱の先端で帽子みたいにかぶっている様に見えるので、葯帽と呼ばれるようです。
e0145782_1146913.jpg

花の裏側の様子も観てみましょう。
ランの花の花弁については、5枚と言う人も結構多いですが、花が散らないように外側から抑えているのは3枚で、花びらとしての役割りを演じていますが、機能としては萼片です。萼片に守られて、その内側に花弁、オシベ、メシベがあるのが花の構造です。
e0145782_11465998.jpg

次に、萼片3枚を取り除いてみました。花弁3枚とずい柱です。
e0145782_114735100.jpg

更に、左右上方の2枚花弁とずい柱を取り除いてみました。中央下方の唇弁と言われる花弁1枚です。
e0145782_11565345.jpg

ずい柱だけです。上の先端にオシベの葯の役割りに相当する、10数万の花粉粒のかたまりである葯帽があり、そのすぐ下の横に拡がって、少し突き出ているように見えるのがメシベの柱頭の役割りに相当する部分です。
e0145782_11492485.jpg

順次、取り覗いた花の各器官を、花の形を考慮しながら、並べてみました。
e0145782_1150483.jpg

ランの花粉の話をしたいので、葯帽の部分だけをアップしてみました。
e0145782_11503635.jpg

ランの花粉は粒でなく、塊(かたまり)となっています。花の後にできる実のことを考えてみましょう。一つの果実に10数万の種子を作るそうです。従って、花のメシベの柱頭には、10数万のオシベの花粉粒を付ける必要があります。しかし、他の草木の花粉粒はせいぜい20粒程度と言われていますので、10数万の花粉粒は5千倍ほどの桁違いに多すぎる量です。これだけの花粉粒を作るだけでも、ランは大変だと思うのに、その膨大な花粉粒を虫に運ばせて、メシベの柱頭に付けて授粉させるのは、普通では不可能に思われます。
その難しさを、ランの仲間はなんと、花粉粒を塊(かたまり)にまとめて、塊(かたまり)の形で、虫に運ばせる工夫~戦略を確立してしまったのです。虫に運ばせる工夫として、その花粉塊には「粘着体」と呼ばれる「両面接着テープ」のようなものまで、開発されているのには驚きですね。このようなランの仲間の進化ぶりの不思議さに驚かされるとともに、脱帽しますね。
以上
by midori7614 | 2013-01-15 12:02 | 身近なみどり
<< イイギリ マンリョウ・センリョウ >>