のん木草・みどり見て歩き

イチゴノキ

一昨日に掲載しました「イチゴノキの花」について、みっこさんから「花を初めて見た」とのコメントをいただきましたので、本日のブログには、「イチゴノキの花と実」の詳細を掲載させていただきます。

日本においてイチゴノキをはじめとするイチゴノキ属の樹木はごく最近まで馴染のない樹木でありましたが、近年は小型の園芸品種を中心に園芸店にも出回っており、個人の住宅の庭木としても、増えてきました。近くの植物園では、大船植物園、神代植物公園でも見ることができます。

イチゴノキは常緑性のツツジ科の低木で、南ヨーロッパ、アイルランドが主な原産地です。花茎は下向きに垂れ下がって、その先に壺を逆さにしたような形の小さな白花をたくさん付けます。何となく花の雰囲気が同じツツジ科のアセビ、ドウダンツツジ、サラサドウダンに似ています。花は基本的に11月~12月頃に咲きますが、やや不定期咲きのようです。
花序。
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ご参考:同じツツジ科の仲間の花。一目瞭然、納得できますね。
アセビ。
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ドウダンツツジ。
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サラサドウダン。
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次に、小さな鐘状の花をじっくり観てみましょう。
花数個をアップ。花冠に赤っぽい斑紋があります。
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花の裏側をアップ。
壺の底みたいなところが筋状にふくらみがあります。下向きに咲くドウダンツツジと同じように、ここに蜜が下にこぼれないように保管されているようです。下向きの花には、それぞれ特色がありますね。
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1個の花を下から覗きこみました。メシベ1個、オシベ10個。
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1個の花冠の一部を取り除いて、中を覗きました。
メシベの花柱が長く突き出ています。オシベはメシベの基部を取り囲んでいます。
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オシベが面白い形ですね。
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オシベをアップしてみました。
葯(花粉)に角(つの)みたいな突起物が出ています。花糸の部分が白い毛が沢山生えています。
授粉の役割りを担うハナハチが、下向きの壺状の入口にしがみついて、下から蜜を吸う為に口吻を伸ばすと、オシベの葯の角(つの)に触れて、葯がゆすられます。ゆすられた葯は粉のような花粉をだして、下のハナハチに降らせる仕組だそうです。この仕組は、ドウダンツツジと同じです。
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今度は、果実と葉を視てみましょう。
 冬の開花と同じ頃、昨年の花の果実が熟します。果実は直径1.5cmほどの球形で緑色→オレンジ色→赤色と徐々に色づいて変化していく様子が楽しいです。
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赤く熟した果実の表面はイボイボになっており、その様子がイチゴを連想させるところから、「イチゴノキ」の名前があります。イチゴと言うよりむしろヤマモモの果実に似てます。
イチゴとイチゴノキの実を比べてみましょう。
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熟した果実は食用にできます。生食には適していないようでジャムや果実酒にして利用されます。果実は食用になりますが、多くの人はそれを味気ないものと感じているようです。果実は主として鳥に食べられているそうです。なお、果実の皮はタンニンの原料となります。
実を縦割りにカットしてみました。
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実の中心近くに、黒っぽい種子らしきものが見られました。
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葉っぱは暗めの緑色で長さ6cm~10cm、細めの楕円形でフチの部分が細かいギザギザになっています。触ると革質でぶ厚い感じがします。地中海周辺を原産地とするオリーブ、ウバメガシと同じ硬い葉(広葉樹でなく硬葉樹)ですね。
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幹は縦割れし、はがれやすく、ざらついています。
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以上
by midori7614 | 2013-01-13 16:42 | 身近なみどり
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