のん木草・みどり見て歩き

ツユクサ

22日~24日、木曽の赤沢自然休養林で、森林浴を満喫してきました。戻ってきたら、猛暑で、身体が暑さに慣れていないので、大変です。赤沢の写真は、まだ整理できませんので、出かける前に着手していました「ツユクサ」を掲載します。

夏は、なるべく朝5時~7時のまだ涼しいうちに、東高根森林公園などへ早朝散歩に出かけるようしています。道端で、ツユクサの花を、よく見かけ、少し観察してみました。地面に這いつくばって、撮影してみました。
花の開花は、朝5時半頃のようで、つぼみや開き始めの花や、開ききった花が、同時刻に見られました。
まだ、開いていない花。
e0145782_18533833.jpg

開きかけ始めた花。
e0145782_18535625.jpg

開いている花。
e0145782_18543122.jpg

花アップ。前横から。
e0145782_18545766.jpg

花を裏側から。
e0145782_18551740.jpg

オシベを判り易く。
e0145782_18553578.jpg

地面に這いつくばっての撮影は疲れるので、少し抜かせてもらい、家で、ペットボトルに活けて、開花や萎む様子を観察しながら、調べてみました。

8時頃の花。
ツユクサは至る所の路傍や空き地に生えている1年草です。あまりにもありふれているので、遠くから眺めてツユクサか、と日頃済ませていましたが、よく見ると、苞(2枚)花弁(3枚)、オシベ(6本)、花の寿命、茎の節から根を出すなどになかなか面白い特徴がありますね。
 2枚の半円形の苞が大きいですね。別名をボウシバナ(帽子花)とも言いますね。おそらく、花を包む半円形の二つ折れになった編笠のような苞の形からきた命名なのでしょう。
花弁は3枚ですが、上方の2枚は大きく青いのでよく目立ちます。下方の1枚は小さくてほぼ無色ですね。
オシベは6本ですが、上方の3本は、花糸が短く、目立つ黄色の「π」字形の葯をもって昆虫の目を引く役目をしているようです。下方には、長い花糸で楕円形の葯をもつオシベが2本あり、メシベとほぼ同じ長さです。最後の1本は中間の位置にあり「人」字形の葯をもちます。昆虫が上方の「π」字形の3本のオシベを狙ってつかまった時には、真ん中の「人」字形のオシベの葯が昆虫のお尻に授粉し、昆虫が真ん中の「人」字形の1本のオシベを狙ってつかまった時には、下方にある長い花糸で楕円形の葯をもつオシベ2本が昆虫のお尻に授粉すると、本には書いてあります。その様子を、一度見てみたいものですね。この巧妙な仕組にも驚きました。
e0145782_1857496.jpg

e0145782_18574938.jpg

10時頃、メシベ、オシベの先端が巻き戻り始めました。
早朝の5時頃から開花し、ほぼ午前中には閉じてしまいます。あまりに短命で、「露の草」と言うことなのでしょうか?朝咲いた花が昼しぼむことが朝露を連想させることから「露草」と名付けられたと思っていたら、英名のDayflowerも「その日のうちにしぼむ花」という意味を持つので、人間の名前の付け方は似ているものだと思いました。
e0145782_1859460.jpg

e0145782_18592340.jpg

10時30分頃、巻き戻りが更に進む。
午前中に、萎んで閉じる様子を、撮影しながら観察してみました。動きが早いと興味が沸きますね。
e0145782_1901058.jpg

12時30分頃、完全にメシベ、オシベを巻き戻して萎む。
昆虫の訪問がなかった場合でも、花後にメシベと2本の長いオシベがくるくると巻いて縮んで、柱頭と葯が接して自花受粉をすることが出来る工夫がされているそうです。子孫作りへの執拗な執念を感じますね。
e0145782_1904818.jpg

2日後、果実が大きくなってきました。
花の咲いている時間が短いのに、比例するように、花後の果実の生長は早いですね。
e0145782_191349.jpg

3日後、苞が黄ばみだし、果実が更に大きくなってきました。随分と短気な性格の植物なのですね。
e0145782_1921433.jpg

4日後、もう、観察が終了したので、ペットボトルから出して、捨てようかと思いましたら、茎の節のところから、白い根が伸び始めていました。なんでも、やることが早いですね。短い命のうちに焦っているのでしょうか?でも、その生命力の逞しさには、驚かされましたね。
e0145782_1925567.jpg

e0145782_1932730.jpg

「ツユクサか」と馬鹿にしないで丁寧な観察をすれば、もっといろいろな変異の例を蓄積できることと思いますね。
どうも、私たちは名前を覚えてしまうと、その植物について、かなり知っているような錯覚をしているようです。身近で、見慣れている植物を、しっかり観察して見ることが大切だと思い知らされました。

なお、今回調べてみたことを、ご参考に、記載しておきます。

ツユクサ科は単子葉植物の分類群のひとつ。約40属650種を含む。日本に自生するツユクサ、イボクサ、ヤブミョウガなどのほか、園芸植物を多数含む。
日本全土、アジア全域、アメリカ東北部など世界中に広く分布する、畑の隅や道端で見かけることの多い雑草です。高さは15~50cmで直立することはなく、茎は地面を這う。6~9月にかけて1.5~2cmほどの青い花をつけます。花弁は3枚あり、上部の2枚は特徴的で青く大きいが、下部の1枚は白くて小さく目立たないですね。メシベが1本、オシベが6本で成り立っている。アサガオなどと同様、早朝に咲いた花は午後にはしぼんでしまいます。

古名のツキクサ(着草)が示すように、昔は布や和紙を染めるのに使っていましたが、中国から藍染めなどの技法が輸入されると、光や水に弱いツユクサ染めは衰退しました。しかし、逆に、水に溶けやすい性質を利用して、友禅などの染色の下絵を描く染料として利用されています。それが、オオボウシバナの利用です。ツユクサの一変種で、全体に大型で、花の径も4cm近いものです。早朝採集した花の絞り汁を和紙に染み込ませ乾燥させたものを青花紙といい、この青花紙を水に浸すと、簡単に青色の染汁を得ることが出来ます。正徳2年(1712年)にはすでに近江、伊勢で売り出されていたそうです。

「つきくさ」は月草とも着草とも表され、元々は花弁の青い色が「着」きやすいことから「着き草」と呼ばれていたものと言われているが、万葉集などの和歌集では「月草」の表記が多いとのことです。この他、その特徴的な花の形から、蛍草(ほたるぐさ)や帽子花(ぼうしばな)、花の鮮やかな青色から青花(あおばな)などの別名があります。また鴨跖草(おうせきそう)という生薬名でも呼ばれています。
花の青い色素はアントシアニン系の化合物で、着いても容易に退色するという性質を持つ。この性質を利用して、染め物の下絵を描くための絵具として用いられた。ただしツユクサの花は小さいため、この用途には栽培変種である大型のオオボウシバナ(アオバナ)が用いられたとのことです。

青い色素はアントシアニン系の化合物について、調べてみました。
1955年、当時国立遺伝子学研究所に在籍していた林孝三博士は、ツユクサの花から、その花の色のままの青色の結晶、すなわちアントシアニン分子(アオバニン)、フラボン分子(フラボコンメリン)およびマグネシウム原子が立体的に結合したアントシアニンの複合体を取り出すことに成功されたとのことである。

花の季節に全草を採って乾燥させたものは鴨跖草(おうせきそう)と呼ばれ、下痢止め、解熱などに用いられたそうです。
以上
by midori7614 | 2012-07-25 19:05 | 身近なみどり
<< 7月22日~24日 木曽・赤沢... 7月18日 府中郷土の森・修景... >>