のん木草・みどり見て歩き

有毒なクリスマスローズ

私もすっかり植物好きと思われるようになったようで、温室育ちのクリスマスローズの鉢を贈っていただきました。折角、いただきましたので、開花したばかりの花で、花の構造を観察させていただきました。

白い花一厘。白い花びらに見えるのは萼片なのか花弁なのか判りにくいですね。
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先ず、花の裏側で確認しました。どうやら、萼片のようですね。茎の途中に出ている緑色のは葉ですね。緑色から白色に変化している3枚は明らかに萼片ですね。萼片の組織は基本的に葉と同じで、表と裏に表皮があり、光合成する柵状組織があるとの事です。このような組織は、花弁にはなく、組織的には花弁はオシベと同じで、細胞層は萼片と違って少ないそうです。でも、この確認は顕微鏡でも使わないと判りませんので、萼片の内側にある白い花びらに見えるのものは萼片か花弁かは、裏を見ただけでは判りませんね。
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今度は、花の表面の中央部分をアップしてみました。白いメシベが中央に10本ほどあります。メシベが多数あることは、歴史的に古い花と言われるモクレン科の花と同じようにキンポウゲ科の花も歴史的に古い時代からのものだと言うことが判ります。
また、メシベを取り囲むように黄色い葯(花粉)をつけた多数のオシベがあります。オシベが多数あるのは、ツバキ科、アオイ科、オトギリソウ科などのように、1本のオシベがいくつにも分かれて数をふやしているのかもしれないと推測してみました。
更に、よく見ると、オシベの外側で、オシベの花糸の基部近くに、黄色い小さなものがありますね。どうやら、これが花弁のようですね。そうだとすれば、白い花びらにみえるものは全て萼片となりますね。
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花の器官(メシベ、オシベ、花弁など)をよく見るために、一部をカットして、確認してみました。下から、白い花びらに見える萼片、黄色い小さな花弁、白い花糸に黄色い葯(花粉)のオシベ、緑色の子房に白い花柱、柱頭のメシベが、それぞれよく判りました。
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花弁をアップしてみました。花弁が筒状になっているみたいですね。萼片を大きくし過ぎた為、花弁への養分供給が減少し退化して小さくなったのかなと推測してみました。
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メシベの子房をアップしてみました。子房の中に、白っぽい胚珠が沢山あるのがわかりました。
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花の器官を観察して状態を確認すると共に、どうしてこうなっているのだろうかと勝手な考察や推測をしてみるのも、楽しいです。そして、その推測が、後日、何らかの文献などで、正しかったと証明されると、更に、嬉しいですね。皆さんも、観察したら、推測してみることをお勧めします。

なお、クリスマスローズについて、調べた事を記載しておきましょう。
①ヨーロッパ原産、南ヨーロッパ・中央ヨーロッパ・トルコなどに自生するキンポウゲ科の草本である。
②鉢植え、庭木として広く植栽されていて、園芸品種として広く栽培されている。
③葉は根生、掌状に切れ込み、花茎15センチで茎頂に少し下向きに1~3個の花をつける。
④クリスマスローズと春咲きクリスマスローズの2種類がある。
12~2月ころに咲く「クリスマスローズ」はヨーロッパ原産 で、3~4月ころに咲く「春咲きクリスマスローズ」はギリシャやトルコ原産であるが、日本では一般には両方ともクリスマスローズの名で呼ばれている。
⑤強心配糖体のヘレボリン、ヘレボイレ、ヘレブリンを含有する有毒植物である。
有毒部位は葉、根茎 で、中毒症状は嘔吐、激しい痙攣(けいれん)、呼吸麻痺と記されている。
⑥ヨーロッパでは、クリスマスローズを紀元前1400年には精神病の治療に用いられていたという。
ヨーロッパで昔は、少量を寫下、強心、駆虫、通経に服用したというが現在は毒性が強く用いていない。

本日は、どこにでもあるクリスマスローズを取り上げて見ました。有毒植物であるので、幼い子供には触らせないように、注意したいものだと思います。何も判らぬ孫が葉っぱをちぎって、口に入れたりしたら、クリスマスどころでなくクルシミマスになりかねないと思い、棚の上の手の届かないところに置くことにしました。

なお、昨日行きました宿河原緑化センターでは、クリスマスローズを展示していましたので、お近くの方は、お出掛けになられて、花の構造を確認されては、如何でしょうか?
以上
by midori7614 | 2012-02-25 16:28 | 身近なみどり
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