のん木草・みどり見て歩き

1月23日(月) 葉っぱ会・多摩動物公園見て歩き会。

昨日は、かわさき市民アカデミーのサークル葉っぱ会の1月見て歩き行事の日でした。
前日夕方の天気予報では、「日中晴れ、気温8度、降水量0、北風6m」でしたので、実施する事としました。ところが、当日の朝になりますと、曇天でしたので、再度、インターネットの天気予報を調べましたら、晴れマークが全て曇りに変り、15時~18時が雨マークに変っていました。これは困ったなと思いましたが、参加申込者全員へ電話連絡するのも大変だし、ひたすら、曇りが15時まで続くことを願いまして、前日決定のとおり、ぶれることなく実施しました。

10時から、公園内のエノキ、ヒノキ、クヌギ、ソメイヨシノ、ケヤキ、ホルトノキ、ダイオウショウ、ニワウルシ、アオギリ、アキニレ、ツバキ、サザンカについて、冬に見られる樹木の特徴を観察しながら、途中で、ライオン、チーター、オオワシ、オジロワシ、カンガルーなどの動物も見学しました。

昼食は、コアラ下の売店の暖房の効いた休憩所で、売店で温かい豚汁を買い、持参したお弁当をゆっくり食べることが出来ました。
食後に、小雨が降っているとのことで、家から持参したニホンスイセンとシンビジュームの花を、全員で分解しながら、花の構造・仕組をじっくり観察しました。特に、ニホンシセンでは、オシベが花弁化したうえで、合着して副花冠になっていること、シンビジュームでは、オシベとメシベが合体して、メシベの柱頭の上に、オシベの花粉塊が付着している巧妙な仕組を学びました。

ニホンスイセンの観察は次のとおり。
花を表面から観察。
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花を裏側から観察。
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花を縦割りして、メシベ、オシベ、子房、胚珠を確認。
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外側の萼片3枚取り外して観察。副花冠の中のオシベに注目。
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副花冠を観察。オシベの葯が上下に3個ずつ確認。メシベは1本の合着。オシベの出ている箇所は副花冠の内側の途中から出ている。副花冠の中に透けてオシベの花糸らしきものが見受けられる。従って、副花冠はオシベの花糸が花弁化したうえで、その花弁どおしが合弁したものと考えられる。
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更に、その確認のために、副花冠の一部を取り除き、副花冠の内側からオシベの葯が突き出ている様子を撮影。
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副花冠が花弁の突起物でなく、オシベの花糸が変化したことが判りました。

シンビジュームの観察は次のとおり。
開花した花の中を覗き視ましょう。P1630156
黄色い塊(かたまり)の葯帽(やくぼう)はオシベの花粉塊(花粉をぎっしりと固めたもの)です。葯帽の葯は花粉のことで、ずい柱の先端で帽子みたいにかぶっている様に見えるので、葯帽と呼ばれるようです。
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花の裏側の様子も観てみましょう。
ランの花の花弁については、5枚と言う人も結構多いですが、花が散らないように外側から抑えているのは3枚で、花びらとしての役割りを演じていますが、機能としては萼片です。萼片に守られて、その内側に花弁、オシベ、メシベがあるのが花の構造です。
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次に、萼片3枚を取り除いてみました。花弁3枚とずい柱です。
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更に、左右上方の2枚花弁を取り除いてみました。中央下方の唇弁と言われる花弁1枚とずい柱です。
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唇弁も取り除くと、ずい柱だけが残りました。上の先端にオシベの葯の役割りに相当する、10数万の花粉粒のかたまりである葯帽があり、そのすぐ下の横に拡がって、少し突き出ているように見えるのがメシベの柱頭の役割りに相当する部分です。
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順次、取り覗いた花の各器官を、花の形を考慮しながら、並べてみました。
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ランの花粉の話をしたいので、葯帽の部分だけをアップしてみました。
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ランの花粉は粒でなく、塊(かたまり)となっています。花の後にできる実のことを考えてみましょう。一つの果実に10数万の種子を作るそうです。従って、花のメシベの柱頭には、10数万のオシベの花粉粒を付ける必要があります。しかし、他の草木の花粉粒はせいぜい20粒程度と言われていますので、10数万の花粉粒は5千倍ほどの桁違いに多すぎる量です。これだけの花粉粒を作るだけでも、ランは大変だと思うのに、その膨大な花粉粒を虫に運ばせて、メシベの柱頭に付けて授粉させるのは、普通では不可能に思われます。
その難しさを、ランの仲間はなんと、花粉粒を塊(かたまり)にまとめて、塊(かたまり)の形で、虫に運ばせる工夫~戦略を確立してしまったのです。虫に運ばせる工夫として、その花粉塊には「粘着体」と呼ばれる「両面接着テープ」のようなものまで、開発されているのには驚きですね。このようなランの仲間の進化ぶりの不思議さに驚かされるとともに、脱帽しますね。

午後1時過ぎからは、小雨でしたので、コアラ、ユキヒョウ、レッサーパンダ、インドサイなどの動物とメタセコイア、フサアカシアを観察して、最後にズーカフェで、コーヒーを飲みながら、暖を取り、15時に解散しました。
当日になって、天気が悪化してしまいましたが、北風が吹かなかったのが救いで、予想よりは寒くなくて助かりました。

本日のブログでは、当日撮影した写真は、これぞという珍しい写真が少なかったので、文章のみの報告のとどめ、ニホンスイセンとシンビジュームの観察手法を葉っぱ会会員のご参考のために、特に、昨日の参加者の復習のために、ご紹介させていただきました。

明日のブログには、延び延びとしましたツバキの園芸品種「赤腰蓑(あかこしみの)」の観察を掲載させていただきます。
以上
by midori7614 | 2012-01-24 17:34 | 身近なみどり
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