のん木草・みどり見て歩き

ダーウイン予言のラン

冬の寒い時期の植物観察は、温室内の植物を見るのが良いですね。特に、ランの花は華やかで、特に、花弁の中の唇弁(リップ)が特殊に進化したランの花は、興味深いですね。
カトレア。
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パフィオペデイラム。
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デンドロビウム。
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クマガイソウ。
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上記のような華やかなランではありませんが、花の進化を語るうえで、代表的なものに、「ダーウイン(予言)のラン」があります。
正式な名前は、「アングレクム・セスキペダレ」と言い、マダガスカルに生息しています。伊豆大仁のランセンター、神代植物公園の温室で、栽培されています。
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「種の起源」や進化論で知られるダーウインが、この花の唇弁(花弁の一つ)の基部がチューブ状に長く(最長で40cm)伸びた距(きょ)の先端(=底)に蜜が貯えられている状況を観察し、この蜜を吸う為には、この長い距と同じくらいの長いストロー状の口吻を持つ昆虫(蛾)がいる筈だと予言した。その後、数年後に予言が的中し、この花の蜜を吸いに来る、とてつもなく長い口吻を持つスズメガの1種が発見され、「キサントア・モルガニイ・プレデイクタ」と命名された。因みに、「プレデイクタ」とは予言と言う意味だそうです。
なお、日本自生のフウランもこのランの仲間に近い種類だと言われています。

さて、このランの授粉と進化について、考察してみましょう。
授粉は、スズメガの口吻とランの距の長さの関係で決まります。スズメガの口吻がランの距の長さと同じか、やや短い時に、ランの花粉塊がスズメがの頭部に着き、次の花で蜜を吸う時に、花粉塊が別の花のメシベにつき、授粉が成功します。
仮に、このランの距が短いと、スズメガは簡単に蜜を吸うことができますが、ランの花粉塊には接触しないので、花粉塊は運ばれません。逆に長すぎると、花粉塊は運ばれることがあっても、スズメガは蜜を吸うことが出来ないので、生き残れません。
進化の点から、考えるとランにとっては簡単に蜜だけ吸われる個体が有利で、逆にスズメガにとっては少しでも口吻が長いものが有利となります。従って、お互いに有利な性質を持つ個体がともに子孫を残してきたのでしょう。環境適応を長い期間に繰り返した結果、お互いにともに40cmの長い距と口吻が成立しているのでしょう。

ラン科植物の場合、授粉を特定の昆虫に依存するものが多いので、その特定の昆虫との共進科のために、花の器官の一部を特殊に変化させている種類があります。
本物は見たことがありませんが、スレンダーハンマーオーキッドも変わった形をしているランです。このランも、ハチのメスにみせかけた唇弁で、オスをおびき寄せて、受粉の手助けをさせます。

このような特定の昆虫と植物との共生と進化を共進化と呼ぶようですが、双方の生存にとって、必ずしも有利とは言えないように思います。何故ならば、このような共進化の生物間では、その選択性が極めて限定されていますので、ほんの少しの環境の変化でも、どちらかの生物の生存が脅かされれば、もう一方の生物も生存が脅かされることになるでしょう。双方の生き残りのために、共進化がされたように説明されていますが、何かその反対に、絶滅への道をひたすら進行しているように思えます。お正月に、酒を飲みながら、酔った頭脳で、疑問を持った次第です。

ダーウインのように、予言することは出来ませんが、当たるかどうかは別のこととすれば、自分流に考えて、推測することは出来るでしょう。老化防止のためにも、観察したら、その後は、勝手な推測をしていきたいものですね。

ランについては、姿・形、系統、分類などについて、調べることが沢山ありますが、それはまた改めて掲載することにします。
ランばかり続けると、私の頭脳も乱れますので、明日は、我が家の庭で咲き始めている「ニホンスイセン」について、観察してみたいと思っています。
以上
by midori7614 | 2012-01-08 17:02 | 身近なみどり
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