のん木草・みどり見て歩き

ナンバンギセル(南蛮煙管)

本日は、彼岸の入りで、恒例のお墓参りと実家の仏壇参りに行ってきました。明日は、かわさき市民アカデミーのサークル「みどり会」の見て歩き行事で、お彼岸の時期に咲くヒガンバナを、日向薬師周辺の田んぼのあぜ道に見に行ってきます。帰宅が遅くなるようでしたら、明日のブログ掲載はお休みさせていただきます。

今日のブログには、8月~9月にかけて、生田緑地、目黒自然教育園、昭和記念公園、金沢自然植物園などで見られますナンバンギセルについて、取り上げてみます。

ハマウツボ科ナンバンギセル属
一年生の寄生植物です。ススキ、サトウキビ、ミョウガなどの根に寄生します。花の形がキセルに似ていることからこの名前がつけられました。高さは約15センチで8~10月位に咲きます。
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ナンバンギセルは葉緑素を持たないがゆえに自分で光合成をして生長することができず、他の植物の根に寄生してそこから養分を取りながら生育する寄生植物で、発芽して生長し、花後タネを結んで枯れる生育サイクルを1年以内におこなう1年草です。寄生するのは主にイネ科やカヤツリグサ科などの単子葉植物で、具体的にはススキ、サトウキビ、ミョウガ、ギボウシなどが挙げられます。
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 花が咲くまで姿がほぼ見えないので夏~秋の開花時期にいきなり生えてきたように錯覚しますが、生育期には茎は地際~地中にあり鱗片状の葉を付け寄生主の養分を取って生長しています。夏以降にそこから花柄をにょっきりと伸ばして地上にお目見えするという寸法です。
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花柄の先端にはぷっくりとふくらんだ萼(がく)があり、そこから淡い紅紫色(まれに白色)の花を一輪、うつむきかげんに咲かせます。花は筒状で先端が浅く5つに切れ込んでいます。その姿をかつて南蛮人と言われていたポルトガル人やスペイン人の船員がくわえていたマドロスパイプに見立てて「ナンバンギセル」の名前が付きました。
 万葉集では「思草(おもいぐさ)」の名前で登場しており、古くから日本で親しまれていた植物だといえます。うつむきかげんに咲く花の姿から来た名前でしょうか。
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地上部は蕾みと茎(花柄?)しかありません。
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黄色の肌に赤紫の斑点が線状にあります。花は1枚の萼に包まれ夏から秋に淡紫色の花が咲きます。 合弁花で先が5つに分かれます。萼も1枚の袋状になっていて、先がとがり、花冠は萼の先ではなく後方から横向きにでてきます。
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正面から撮影しましたが、メシベ、オシベを見ることが出来ませんでした。
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図鑑によりますと、花の中には先が大きく広がった1本のメシベと4本のオシベがあるそうです。オシベの花糸の下部は花冠内面に融合していて、左右より2本づつ出て、葯の形に2型あるそうです。
オシベはメシベの柱頭より後方にあり、花がゆれると花粉は花冠内に落ちてしまうとのことです。栽培品ではどのような昆虫が花粉を運んでいるか見当もつきません。

栽培する場合には、寄生植物なので寄生主(宿主)としてススキなどのイネ科植物をあらかじめ用意しなければなりません。そこへ採取した種子を蒔きます。宿主の根からの分泌物が発芽を促すようです。実際には株元の土を寄せ露出した根、できれば根毛が出ているような根に種子をふりかけます。翌春発芽し、夏から秋に開花・結実します。一年草であり毎年種子を蒔く必要がありますが、同じ宿主株から数年発生することもあるそうです。
 播種は採り蒔きのほうがよいようです。また鉢植えの宿主の場合毎年種子を蒔くと宿主の植物が弱って枯れてしまうので、隔年で育てる方がよいとする栽培書もあります。
 栽培上の宿主としてはイネ科植物ではススキ・ヤクシマススキ・ベニチガヤ・タイワンオギなどが利用されるようです。その他宿主としてミョウガ・ショウガ・ギボウシ・ホトトギス・ユッカなどが知られています。
以上
by midori7614 | 2010-09-20 17:41 | 身近なみどり
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